2011年9月
高速炉炉心用改良ステンレス鋼
日本原子力学会誌ATOMO$\Sigma$
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- 巻
- 53
- 号
- 9
- 開始ページ
- 638
- 終了ページ
- 642
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本原子力学会
高速実験炉「常陽」等において高速炉炉心用材料として使用している改良SUS316鋼について、高速炉特有の使用環境と求められる諸特性とともに改良SUS316鋼の開発の経緯と現状などを紹介する。高速炉炉心材料には、炉心の高出力密度及びFPガスによる内圧に耐えられる高温強度特性,照射損傷による耐スエリング性,冷却材ナトリウム及びFCCIによる耐食性などがおもに求められる。改良SUS316鋼の開発では、高温強度特性と耐スエリング性の改善に重点を置き、冷間加工度及び微量添加元素などが改善に与える影響についてスクリーニング試験を行った。微量添加元素などの最適化によって、高温強度特性と耐スエリング性の改善が両立可能であることを実証するとともに、照射環境下での影響やFCCI等に対する耐食性を評価した。また、改良SUS316鋼は、「常陽」において約44,000本の使用実績を有するとともに、約2.1$\times$10$^{27}$n/m$^{2}$までの照射実績を有しており、良好な高温強度と耐スエリング性を実証し、炉心材料としての健全性を示している。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1882-2606
- CiNii Articles ID : 10029342594
- CiNii Books ID : AN00188477