共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

脂肪幹細胞による肺胞バリア機能強化とALI/ARDSへの新たな細胞治療の基礎研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K08907
体系的課題番号
JP21K08907
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

実験計画書に基づき、I) in vitroでの疑似肺胞壁のバリア機能の比較を行った。
Transwell共培養システムを用いて、Transwellの半透膜上に肺胞上皮細胞、半透膜下に血管内皮細胞を播種し、疑似肺胞壁を作製した。この血液空気関門モデルにおいて、下段のシャーレ上に脂肪由来間葉系幹細胞(ADSC)および骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)を播種し、経上皮電気抵抗(transepithelial electrical resistance; TEER)値を測定したところ、ADSC群で有意にTEER値の上昇を認めた。
また、ADSCの血液空気関門バリア機能増強効果を検証するため、下段のシャーレ上にADSCを播種する群(ADSC群)と播種しない群(非ADSC群)とで、TEER測定、フルオレセインナトリウムを用いた透過性試験、タイトジャンクション関連蛋白Zo-1の免疫染色、電子顕微鏡を用いた形態観察、PCR arrayを用いた細胞接合部関連遺伝子発現の評価を行った。
TEER測定では、ADSC群で有意にTEER値の上昇を認め、透過性試験では、ADSC群で有意に透過係数の低下を認めた、蛍光免疫染色では、ADSC群で細胞接合部においてZo-1の発現増加を認めた。また、電子顕微鏡での観察では、ADSC群では、非ADSC群と比較して、肺胞上皮細胞間の間隙が広く観察され、細胞接合部の形成不良が示唆された。細胞接合部関連遺伝子発現の評価では、ADSC群において、非ADSC群と比較して、タイトジャンクションの主要な蛋白であるclaudin familyのうち、claudin-4を含む複数のclaudinの遺伝子発現増加を認めた。
以上の結果をPharmaceutics誌に投稿した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K08907
ID情報
  • 課題番号 : 21K08907
  • 体系的課題番号 : JP21K08907