共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2025年3月

フェアリー化合物の科学とその応用展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別推進研究  特別推進研究

課題番号
20H05620
体系的課題番号
JP20H05620
配分額
(総額)
616,850,000円
(直接経費)
474,500,000円
(間接経費)
142,350,000円

1. FCsの生合成経路・代謝経路・活性発現機構の解明:得られているFCs代謝産物のLC-MS/MSのよる定量法を開発し,イネにおける内生量の定量に成功した。FCsのシグナル因子・受容体の探索を行うため,シロイヌナズナの自然系統200以上からAHXに感受性が高い系統を選抜後,EMSによる変異原処理をした変異種子集団の作成を行った。AHXの受容体候補タンパク質であるイネのV-ATPase Bサブユニットの組換えタンパク質を作製し,AHXと本タンパク質の相互作用について解析中である。骨格起源の候補であるArgを含めた数種の同位体ラベルアミノ酸の取り込み実験を行い,骨格の起源がほぼ判明した。イネから得られたS-ICAr-Hを,ICAを処理したシロイヌナズナ,出芽酵母でも生成することを明らかにした。
2. FCsによる作物増産効果の分子機構の解明:イネコアコレクション107品種を対象にFCs内生量を定量した。コムギ2品種を対象に,FCs処理による低窒素施肥条件下での収量増加効果をフィールド栽培試験により検討した。
3. FCsの多彩な研究を支援する合成化学的アプローチ:プロセス合成の最適条件はほぼ確立した。FCsの窒素・炭素骨格の起源を明らかにするために必要となるグアニジノ基のみが15Nと13Cで完全にラベル化されたアルギニンは,グアニジン-13C, 15N3を原料に用い合成を達成した。AHX誘導体の気孔開口阻害活性を評価し,数種のAHX誘導体は気孔開口阻害活性をもつことを明らかにした。
4. 新たな展開:AHXが低酸素因子(HIF)の産生を阻害し,酸素誘導網膜症モデルマウスに対して網膜血管新生を抑制することを見出した。AOHがヒト表皮細胞の賦活化し,DNAマイクロアレイによって,賦活化関連遺伝子の発現が促進されることが判明した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H05620
ID情報
  • 課題番号 : 20H05620
  • 体系的課題番号 : JP20H05620