共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

川西民族走廊チベット=ビルマ系諸言語における動詞接辞の地域特徴の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
17J40087
体系的課題番号
JP17J40087
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

ダパ語ニャト方言、カラケ方言の現地調査を行い、語彙、文法、民話等の一次資料を収集した。その成果として、川西民族走廊における語彙の地理言語学的研究等にそのデータを活用したほか、ニャト方言の声調に関する詳細な記述を行い、論文として発表した。このほか、これまでに調査してきたメト方言のテクスト資料を分析し、記述・対照研究を進めた。その成果の一部として、主題標識に関する方言対照研究を行い、国際会議において発表した。
川西民族走廊諸語に特徴的な動詞接辞である方向接辞について、対照言語学および地理言語学の観点から研究を進めた。対照言語学的研究においては、方向接辞が時制やアスペクトを表示する機能について、主にスートゥ・ギャロン語との対照を行い、他のチベット=ビルマ系言語も参照して、機能の発達を明らかにすると共に、文法化の過程について仮説を提示し、国際ワークショップにおいて発表した。地理言語学的研究においては、個別の方向接辞の形式等について複数の言語特徴分布地図を作成し、地理的分布と形式の比較から、相対的年代および地域特徴としての発達過程を分析し、国際学会において発表した。作成した言語地図および分析の一部は当該学会の予稿資料としてオンライン公開済みである。さらに分析を進め、論文を執筆、投稿中である。
体言化(名詞化)の形態統語法について、ダパ語を中心に記述を進め、日本語および他のチベット=ビルマ系言語との対照を行った。その成果は国内会議で発表したほか、論文にまとめ、投稿中である。
川西民族走廊諸語の否定接辞について、形式、機能、接辞順の観点からデータベースを作成した。
動詞形態法を含めた現象を広い視野に立って研究するという観点から、代表的非人称構文である「雨が降る」を意味する文のタイプについて、チベット=ビルマ語派全体およびアジア全体における地理言語学的研究を行い、共著書の形で発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17J40087
ID情報
  • 課題番号 : 17J40087
  • 体系的課題番号 : JP17J40087

この研究課題の成果一覧

書籍等出版物

  1
  • 遠藤光暁, 峰岸真琴, 白井聡子, 鈴木博之, 倉部慶太 (担当:共編者(共編著者), 範囲:編集および “‘Sun’ in Tibeto-Burman” (pp. 37-40) 共著(第一著書), “‘Rice plant’ in Tibeto-Burman” (pp. 75-79) 共著, “‘Milk’ in Tibeto-Burman” (pp. 113-116) 共著, “‘Wind’ in Tibeto-Burman” (pp. 146-149) 共著, “‘Iron’ in Tibeto-Burman” (pp. 179-183) 共著, “Numeric quantification in Tibeto-Burman” (pp. 214-218) 共著, “Tone and accent in Tibeto-Burman” (pp. 260-266) 共著, “‘It rains’ in Asia” (pp. 284-286) 単著, “‘It rains’ in Tibeto-Burman” (pp. 300-304) 共著(第一著者))
    ひつじ書房 2021年9月30日 (ISBN: 9784823410741)