見えてきた!土の中のミラクルワールド; 根圏
QST高崎サイエンスフェスタ2020
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- 開催年月日
- 2020年12月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 高崎(online)
- 国・地域
- 日本
地中の植物の根とその周辺の環境が互いに影響し合う空間を合わせて「根圏」と言う。我々は根圏領域を特定する上で重要な指標となる分泌物を可視化する「根圏イメージング」という新しい手法を開発した。地中の不規則な根の形を単純化してから根圏の要素である根と土を正確に分離させるため、新しく根箱という栽培容器を作製した。これを用いて、同じマメ科植物であるダイズとルーピンを育て、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所(TIARA)のAVFサイクロトロンを利用して製造した$^{11}$CO$_2$トレーサガスを空気と一緒に地上部の葉に与えると同時に、体内の$^{11}$Cの動きをポジトロンイメージング装置(PETIS)で撮像を行った。根箱の中の根は肉眼では見えないが、PETISを用いることで根の形にそって運ばれる光合成産物の動きを可視化することができた。ルーピンは土の養分状態に応じて個別の根の形態を変え分泌物を増すことでほかの植物には利用できない難溶性のリン酸を吸収利用する特殊な能力を持っていることが知られており、その活発な活動の位置やタイミングを正確に示すことができた。