2020年4月 - 2025年3月
脂質2重膜の化学-物理変換機構が媒介するチャネル制御機構
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
- 課題番号
- 20H00497
- 体系的課題番号
- JP20H00497
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
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- (総額)
- 45,240,000円
- (直接経費)
- 34,800,000円
- (間接経費)
- 10,440,000円
脂質2重膜はチャネルにどのように働きかけてその機能を制御しているのか。これが本研究の問いである。脂質2重膜はチャネルなどを載せる単なる受動的な容器ではなく、もっと能動的にチャネルに働きかけていることが分かってきた。この機構を解明することが本研究の目的であり、このことにより生体膜の複雑な機能の理解が深まる。脂質2重膜の内部では膜張力や膜内電場などの物理特性が変化し、チャネルに働きかけている。そしてそれらの物理特性は、脂質組成の変動や膜に溶け込む小分子(リガンドや薬物)によっても変化することが明らかになってきた。すなわち脂質2重膜は、リガンドや薬物が膜に入り込み化学組成変化が起これば、内部の物理特性を変化させ(化学-物理変換)、それをチャネルに作用させる、一種の「化学-物理変換体」である。この機構を解明するために生体膜を解体し、脂質2重膜にチャネルを組み込んだ系(再構成チャネル膜)で実験を行うことが本研究の戦略である。研究代表者らが世界に先駆けて開発した再構成チャネル膜法によって様々な実験が可能になり、「脂質2重膜の化学-物理変換という普遍的な機構とチャネルへの作用」を解明する。特に膜張力は様々な生理的環境の中で変化し、その変化が直接チャネルに作用するので、膜張力をダイナミックに測定することが不可欠である。これにより従来、静的・半定量的であった実験の精度を上げ、より詳細なチャネル-膜相互作用について検討する。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H00497
- 体系的課題番号 : JP20H00497