2012年4月12日
TCPの性能を考慮した複合型ロバストルーティング方式
電子情報通信学会技術研究報告
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- 巻
- 112
- 号
- 9(CS2012 1-22)
- 開始ページ
- 17
- 終了ページ
- 22
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 一般社団法人電子情報通信学会
トラヒック計測および動的な経路変更を行うことなくトラヒック変動に対する高いロバスト性を実現するルーティング方式として,ロバストルーティング方式が提案されている.しかし,この方式はマルチパスルーティングを実施するため,パケットの順序逆転が頻発し,TCPスループットが大幅に低下する.これを改善する方式として,我々はこれまでに互いの伝搬遅延の差が極力小さい複数の経路をマルチパスルーティングに用いる方式(経路間遅延差最小化法)を提案しているが,数値例によるとそのTCPスループットは理想値の7割程度であり,さらなる改善の余地がある.本稿では,さらなるTCPスループットの改善を目的として,あらかじめ定められた割合の拠点ペアに対してはパケットの順序逆転によるTCPスループットの低下が回避できるシングルパスルーティングを実施し,その他の拠点ペアに対しては従来のロバストルーティング方式と同様にマルチパスルーティングを実施するような複合型ロバストルーティング方式を提案する.数値例によると,トラヒック変動により最も都合の悪いトラヒックが発生した際のリンク利用率の中で最大の値(最悪時リンク利用率)を1.0未満に抑制するという制約の下で提案方式は経路間遅延差最小化法と比較して最大で24%程度TCPスループットを改善できることがわかった.
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0913-5685
- J-Global ID : 201202296717911818
- CiNii Articles ID : 110009564284
- CiNii Books ID : AN10013298