共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

安静時機能的MRIを用いたてんかん猫の脳機能欠落域の検出および標準脳の作成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K16005
体系的課題番号
JP19K16005
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

てんかん猫および健常猫の安静時機能的MRI画像の撮像が終了し ,現在は解析の段階にある.解析の前処理である補正に関しては十分に行うことが可能であることが示された.しかしながら,SPM12を使用した解析においててんかん猫と健常猫の安静時の脳機能に関して有意な変化が認められていない.そのため,解析条件を変更し再度解析を行っている段階である.これらの解析条件の変更に加えて,使用ソフトウェアにFMRIB Software Libraryを追加し,次年度はすでに取得したデータを基に新たな解析を行う予定である.
年齢による変化を考慮に入れるため,安静時機能的MRI研究の際に取得してきた3D-T1強調画像を使用して脳の器質的な変化の観察も行っている.64頭の対象個体から標準脳を作成し,加齢と脳容積の相関性を調査した.これらの脳画像に対して行ったVoxel-based morphometry解析において,猫の脳の加齢性の変化は灰白質を中心とした萎縮として確認されることが明らかとなった.さらに詳細な解剖学的位置としては両側頭頂葉皮質および右帯状回での有意な減少が示された.人や犬などで報告される海馬などの辺縁系構造や白質の萎縮は認められなかった.これらの領域はこれまでに報告される病理学的変化が認められた領域であるため,本研究結果は認知機能症などの加齢により発生しうる疾患に対して有益な情報となりうる.現在,より正確な解剖学的位置を模索するために,健康上の理由のために安楽死を行った1頭の猫の病理学的位置情報を持つMRIに対しての正規化を行っている.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K16005
ID情報
  • 課題番号 : 19K16005
  • 体系的課題番号 : JP19K16005