共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

データ駆動型経済における巨大IT企業間の競争と取引の公正性確保とに係る比較法研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K01335
体系的課題番号
JP20K01335
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

2021年度は、本研究の中間年度に相当し、おおむね年度前半は、米国及び日本における競争法等にかかる解釈論との相対化を図るべく、EU法について、必要な先例の収集と分析に重点を置いて研究を進めた。具体的には、巨大IT企業に関するEU競争法やEU一般データ保護規則(GDPR)にかかる先例を収集し、とりわけ、EU競争法違反とされた先例のうち、消費者利益の保護の兼ね合いでデータの取扱いが問題とされたものを中心に分析した。これらの研究は、取引の公正性概念の外延を探究するという、本研究課題の検討を進める上で、金銭的価値のみならず、表現の自由や民主主義の保護といった諸価値をも競争の観念に取り込もうとする際に検討するべき論点を明らかにするなど、重要な知見がえられた。
年度後半は、引き続き、米国法を考察する上で必要な先例及び二次文献の収集と分析に重点を置いて研究を進めた。とりわけ、米国における反トラスト法の1つであるFTC法5条を根拠として消費者に対する「不公正な行為・慣行」を規制(禁止)している米国での先例を収集し、米国の競争法において競争と取引の公正性とにかかわる先行研究等を踏まえた解釈論を分析し、また、本来は競争を規律するFTC法を根拠として、わが国でいう個人情報保護に近いデータセキュリティの問題に対してFTCが果たしてきた役割を分析した。
なお、本研究の申請時には、2021年度の半ば(8月)に、EUにおける最新の実務及び学説の動向把握のため現地調査を予定していた。こちらについては、引き続き、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、予定されていたOECDが主催する国際シンポジウムがオンラインミーティング方式で実施されるなど、研究環境の大幅な外在的影響を受けたものの、文献研究等に重点を移す等の代替的手段により、本研究に必要な調査活動等を遂行することができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K01335
ID情報
  • 課題番号 : 20K01335
  • 体系的課題番号 : JP20K01335

この研究課題の成果一覧

論文

  7

MISC

  10

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  4

社会貢献活動

  4

メディア報道

  1