2020年4月 - 2022年3月
高規則化構造を目指した三元合金サブナノ磁石の創成
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
次世代の高性能磁性材料として注目されているのがナノコンポジット磁石である。ナノコンポジット磁石は、磁気ヒステリシスをもつ硬磁性相とそれをもたない軟磁性相との間の磁気的相互作用によって、高磁化・高保磁力を実現する。
本研究は、アークプラズマ蒸着法を用いて、系統的に三元合金サブナノ粒子を作製し、新しい強磁性物質群の創出を目指し、磁気特性と構造の相関を明らかにすることを目的とする。高性能な合金磁石の開発には、L10-FePtに代表される規則化構造を形成することが必要である。しかしながら、より煩雑な系となる三元合金で、規則化構造をもつ物性については十分な知見が得られていない。高性能な磁性材料となる組成の要因を、磁性と構造の相関関係により明らかにする。
本年度は、「様々な合金組成をもつ三元合金サブナノ粒子を系統的に合成」と「三元合金サブナノ粒子の各種分光学測定及び磁気特性評価」を行った。三元系の合金を作製するにあたり、まず二元系合金FeNiサブナノ粒子を作製した。アークプラズマ蒸着法では、パルス放電の回数により粒子の大きさを制御できる特徴がある。この手法で作製したFeNi合金粒子は、磁気測定において、粒子の大きさが小さくなるにつれて飽和磁化が大きくなる傾向が得られた。次に、FeNi合金粒子の保磁力を向上させるためにAlを用いた。FeNiの組成比を1:1に固定し、Alの割合を変化させたFeNiAlの合金粒子を系統的に作製した。磁気測定において、Alが過剰量になる組成比の合金粒子では、磁気ヒステリシスが観測された。一方、磁気ヒステリシスは二元系合金のFeNi粒子では見られなかった。よって、三元系固有の物性であると推測される。
本研究は、アークプラズマ蒸着法を用いて、系統的に三元合金サブナノ粒子を作製し、新しい強磁性物質群の創出を目指し、磁気特性と構造の相関を明らかにすることを目的とする。高性能な合金磁石の開発には、L10-FePtに代表される規則化構造を形成することが必要である。しかしながら、より煩雑な系となる三元合金で、規則化構造をもつ物性については十分な知見が得られていない。高性能な磁性材料となる組成の要因を、磁性と構造の相関関係により明らかにする。
本年度は、「様々な合金組成をもつ三元合金サブナノ粒子を系統的に合成」と「三元合金サブナノ粒子の各種分光学測定及び磁気特性評価」を行った。三元系の合金を作製するにあたり、まず二元系合金FeNiサブナノ粒子を作製した。アークプラズマ蒸着法では、パルス放電の回数により粒子の大きさを制御できる特徴がある。この手法で作製したFeNi合金粒子は、磁気測定において、粒子の大きさが小さくなるにつれて飽和磁化が大きくなる傾向が得られた。次に、FeNi合金粒子の保磁力を向上させるためにAlを用いた。FeNiの組成比を1:1に固定し、Alの割合を変化させたFeNiAlの合金粒子を系統的に作製した。磁気測定において、Alが過剰量になる組成比の合金粒子では、磁気ヒステリシスが観測された。一方、磁気ヒステリシスは二元系合金のFeNi粒子では見られなかった。よって、三元系固有の物性であると推測される。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K15124
- 体系的課題番号 : JP20K15124