共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

情報の不確実性下におけるマッチング形成の分析:メカニズムの幅広い実用に向けて

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K13657
体系的課題番号
JP19K13657
配分額
(総額)
2,210,000円
(直接経費)
1,700,000円
(間接経費)
510,000円

昨年度に引き続き、救急隊の最適配置に関する研究を行った。今年度においては、昨年度独自に構築したモデルを用いて現着時間の平均値を最小化するような手法との比較を行った。具体的には、コンピューターを用いてランダムに生成される事案データのセットによって両手法で導出される最適配置案を比較し、それぞれの傾向についての検証を行った。検証を通して、平均時間を最小化する手法においては、全体効率的な配置が提案されるものの、事案間での差が比較的大きくなりがちであること、またその一方で、最大時間を最小化する手法においては、全体効率性という面では劣るが、現着時間がより均等である配置を提案する傾向があることが分かった。この成果をまとめた論文を某学術雑誌に投稿したところ、条件つきで採録されることが決定し、論文の改訂作業が終わり次第再投稿する予定である。
結婚支援事業の効果検証に関しても、昨年度の成果に基づいて、個人や社会(結婚市場)に及ぼす影響を具体的に分析した。分析結果によると、事業が行われることによって各個人の戦略は(事業を利用するしないに関わらず)結婚相手として受け入れる水準を上げ、これによって、効用を上げる個人と下げる個人は混在して事業を利用する個人すらも効用水準、生涯未婚率、期待継続時間を下げる可能性がある。すべての個人が事業によって利益を得ることは不可能であり、また不利益を得る個人と利益を得る個人との間には低所得/高所得、低身長/高身長などの二元的な基準によって区別がつかないため、不利益を被る個人に対してのフォローは困難であることが考えられる。一方、社会全体でみると、結婚支援事業によって厚生が改善し、またコンピュータによるシミュレーションの結果を見る限りでは生涯未婚率および期待継続時間の全体平均も縮小する。この成果は事業延長して2022年度に論文として学術雑誌に投稿する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K13657
ID情報
  • 課題番号 : 19K13657
  • 体系的課題番号 : JP19K13657

この研究課題の成果一覧

論文

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書籍等出版物

  2