共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

国際化時代におけるリテラシー教育モデル構築のための基礎的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
16K17448
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

平成30年度は、(1)抽出した鍵概念を軸とした日英共同の比較考察をさらに進めることで、国や言語の別を超えたリテラシー育成モデルとしての実践を開発すること(2)開発した実践の効果検証も見据え、国際的汎用性を備えた評価指標を作成すること、の2点を研究課題とした。
1点目の日英共同の実践開発については、前年度に行ったワークショップにおける質問紙調査の結果を分析し、日英共同で詩創作の学習指導開発を進めるための手がかりを得るための探索的な検討を行った。日英の視点をつなぐキーワードとして,「言葉(word)」」「自由(free)」「発想(idea)」「自分(self, I, my)」を導出し、それぞれで見出される学びの可能性として①自分の言葉表現に自覚的になること②発想の訓練によるアイディアの言語化③当事者意識・自立性の高まり④条件下での自由の行使による創造的リスク・テイキング、の4つを捉えた。この国際化時代において,日英それぞれの国・単一言語の学びにとどまらない包括的な言語学習のあり方を考え、また実践的な交流を含めた日英比較国語教育研究の新しい第一歩を踏み出す可能性を持つ詩創作教育学研究として意義のある成果を見出した。本考察の成果については、査読誌である『読書科学』に投稿し、現在印刷中(2019年刊行予定)である。また、イギリスの創作指導について日本の教師向けに紹介する章を執筆したり、ワークショップ教材をウェブサイトで公開したりするなどして、成果を広く公開することに努めた。
2点目の評価指標作成については、日本の中学生によって書かれた詩を英国で作成された評価指標によって評価する作業を試み、日本においても使用することが可能な形への再構築を行った。現在、その成果について執筆中である。

ID情報
  • 課題番号 : 16K17448