2016年4月 - 2019年3月
ジグザグ縫合面を持つオルティス類の形態機能と適応放散様式
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
腕足動物オルティス目は,約4.5億年前のオルドビス紀に劇的な多様化を遂げた代表的な海洋無脊椎動物である.本研究は,オルティス目に属するプラチストロフィア類の適応放散様式を理解するために,殻形態と濾過摂食水流との関係を流体力学的視点から検討することを目的とした.流水実験の結果,プラチストロフィア類が備えた殻形態は,螺旋状の渦流を受動的に形成する機能を備えていたことがわかった.また,プラチストロフィア類に特有のジグザグ縫合線は,殻内側で生じる流れを弱化させる機能を備えてることが判明した.このような形態機能によって,プラチストロフィア類に認められるロバストな適応戦略が実現されていたのかもしれない.
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 16K17827
- 体系的課題番号 : JP16K17827