2022年4月 - 2026年3月
多職種・多角的データの一元化AIを活用した訪問看護アセスメント支援システムの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
看護師の超音波導入と超音波技術を活用している現状の把握のために、日本国内での看護師による超音波検査機器活用についての文献検討を行った。医中誌Webを用いて文献検索を行い54件の文献を対象とした。超音波検査機器を活用した文献は、2010年以前は2件と少なかったが、2011年以降に52件と急増しており、超音波検査機器の小型化が関連していると考えらえる。看護師による活用では、血液透析におけるバスキュラーアクセス(VA)への穿刺に関連した文献が21件と最も多かった。他の目的では、膀胱内残尿測定が11件、末梢血管確保の確認が8件、便秘の確認、経鼻胃管の位置確認などの消化管を対象とした活用が5件、褥瘡や筋肉内注射などの皮膚・筋を対象とした活用が5件、乳がん検診のための報告が1件であった。このうち、VA穿刺や膀胱内尿量・残尿測定での活用は、臨床の場で日常的に多く取り入れられていた。一方、末梢静脈穿刺や便貯留評価については、臨床の場での報告は認められなかった。抽出した文献では、対象施設や著者グループが重複しているものが複数あった。現状では、看護師による超音波検査機器の活用は、導入や拡大の途中であると考えられる。同時に、訪問看護師を対象とした研究は、3件であった。このことは、訪問看護における実践が病院での活用よりもさらに少ないことを示している。訪問看護での超音波検査機器活用を推進するため、今後は訪問看護師が看護上の実践で活用頻度の高い検査部位を明確にすることで、短時間で技術を習得できる研修内容を計画、実践する必要があると考えられる。
- ID情報
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- 課題番号 : 22H03432
- 体系的課題番号 : JP22H03432