基本情報

所属
京都市立芸術大学 美術学部デザイン科 講師
学位
博士(人間・環境学)(2020年3月 京都大学)
修士(人間・環境学)(2016年3月 京都大学)

研究者番号
60884806
J-GLOBAL ID
201601011338200280
researchmap会員ID
B000253919

哲学者としての研究や出版物について

学位論文では、互いを見知らぬ大規模かつ複雑な「社会」という領域を見出し、そこに存在する諸問題に取り組んだ、19世紀後半から20世紀前半におけるアメリカの知識人たちの思想と実践について論じました。その中心に据えたのは、哲学・心理学・政治学・社会学・大衆社会論・消費社会論など、多領域にまたがって活動した知識人であるジョン・デューイです。これは、『信仰と想像力の哲学』(勁草書房)として、2021年に書籍にまとめられました。

さらに、2022年には日本の哲学者を扱った学術書『鶴見俊輔の言葉と倫理』(人文書院)、そして一般向けの本である『スマホ時代の哲学』(Discover 21)を刊行し、2023年には座談本『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(さくら舎)、学際性と共同性をテーマにした『〈京大発〉専門分野の越え方』(編者, ナカニシヤ出版)を刊行しました。

 

研究スタイルについて

学際的な学部・大学院で学問を修めたこともあり、マルチリンガルのように多専門性を心掛けた研究を展開しています。

私の主専門は「哲学」ですが、業界内で「これが哲学だよね」と理解されている輪郭に沿って思考するのは哲学にとってよくないことだと常々思っていました。

問題や課題、依頼に応じて、あるいは、私の関心や動機、能力に応じて、どんな領域の知見や手法でも学び、活用するべきであり、それが結果的に「哲学」とみなされるかどうかは些末な問題だと考えています。これは、学位論文で研究したデューイの立場であるとともに、私の研究スタイルでもあります。

私は、哲学の知識やスキルを活用ないし横展開したり、新しく知識やスキルを身につけたりして、必要に合わせて分野を越え、やれることは何でもやっています。『メディア・コンテンツ・スタディーズ』の出版、『質的社会調査のジレンマ』の翻訳、「ゲームはどのような移動を与えてくれるのか」「コンテンツ・ツーリズムから《聖地巡礼的なもの》へ」などの論文は、そうしたスタイルをわかりやすく伝えてくれるでしょう。

教育面では、普段は芸大デザイン科で「制作実技」の指導を行うのが私のメインの仕事です。主な授業では別に哲学の話をしていません(非常勤先のコマでは哲学などの話をしていますが)。また、卒論や修論の指導も行っており、デザイン研究、文化社会学、芸術学など自由テーマで学生は論文を書いています。

 

その他の補足

より詳細な自己紹介として、インタビューをあげておきます。

「【プロダクト・デザイン専攻専攻】谷川嘉浩特任講師インタビュー」(2020/10/25, 京都市立芸術大学の学生によるインタビュー動画)

「プラグマティズムと非合理な情熱。学びの果ての衝動。哲学者・谷川嘉浩氏インタビュー。」(2022/07/06, Less is More. by インフォマート)

「「プラグマティズム」から考える仮説的思考、あるいは哲学の魔法|哲学者・谷川嘉浩」(2022/12/09, Desilo)

「【深刻】なぜ私たちは「繋がっている」のに寂しいのか?」(2023/04/22, Newspicks:前後編)

「ネガティブケイパビリティとは。即レスしないコミュニケーション方法をあえて選ぶこと」(2023/07/23, りっすん by イーアイデム )

 

諸々ご依頼があれば、Gmailのアドレス(yshr.tngw)にご相談ください。企業のコンサルティングやリサーチは、私の友人・知人からの紹介がある場合のみ請け負っています。

ちなみに、このリサーチマップというサイトは、日本国内で活動する研究者が、自身の業績を管理・発信し、今後の交流につなげるために作られたプラットフォームで、谷川本人がこまめに更新しています。


委員歴

  1

主要な論文

  24

主要な書籍等出版物

  17

主要な講演・口頭発表等

  47

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

  9

主要なWorks(作品等)

  17

主要なMISC

  35

学術貢献活動

  1

主要な社会貢献活動

  53

主要なメディア報道

  63

主要な所属学協会

  6

主要なその他

  10