谷川 嘉浩

J-GLOBALへ         更新日: 17/11/19 11:55
 
アバター
研究者氏名
谷川 嘉浩
 
タニガワ ヨシヒロ
eメール
yuzumikegmail.com
所属
京都大学人間環境学研究科共生人間学専攻
Twitter ID
mircea_morning

プロフィール

以下のような研究をしています。

1.哲学者デューイにおける「有限性」と「アイロニー」
 政治、消費、信仰――いずれも、何らかの「期待」を内在させています。社会変革の期待、次なる満足への期待、救いへの期待、というように。近代が「個人」を前景化させる時代だとすれば、近代化は、そうした「期待」を肥大化させるプロセスだと言えるでしょう。
 政治学者のウォルター・リップマンは、これを「過大な期待」と呼びました。実現不可能なほど大きなことが「個人の可能性だ」と語られました。しかし、それは願望を事実に置き換えたフィクション、一種の「神話」であって、現実を見えなくする役割を果たしているように思えます。
 そうすると、人間の過大な期待をおさめることは重要な課題であり、人間の非合理性や、人間の「有限性」は、近代社会で無視できない論点に他なりません。
 私の博士論文での目標は、人間の有限性を見据えることで、自己を相対化する視点(=アイロニー)を構築しようとした哲学者として、ジョン・デューイを描き出すことです。本研究は、G.ウォラス、G.S.ホール、W.リップマン、W.ジェイムズ、R.ニーバー、D.ブーアスティンといった影響関係にある思想家たちとの連関の中で、彼の思想の独自性を炙り出すという手法を採ります。また、通常は教育哲学者・社会哲学者としてのみ評価されがちなデューイの業績の中で、特に彼の(社会)心理学・宗教哲学に力点を置きます。

2.メディアにおける「理念」と「共同性」
 メディアというと「文字」「新聞」「ネット」など既にメディア・スタディーズで当然のようにメディアとみなされているものが研究対象になっています。それを否定するものではありませんが、異なる二つのものを媒介するものは、総じてメディアの名に値するはずです。
 「1.」の研究を通じて行った、社会-政治思想に関する研究や、メディア研究・消費社会論的な研究を踏まえ、以下のような研究を行なっていく。 ① ある種の「ジャンル」を形成しているメディアに注目し、それがどのように人びとをつなぎ、集団として凝集しているのか(=共同性)を研究する。また ② 理念を伝えるメディアに注目し、それが集団においてどのような役割を果たすのかを明らかにする。とりわけ、Vocaloid、M.メーテルリンクらの小説、食事、想像力、絵画に注目する予定である。

研究分野

 
 

学歴

 
2016年4月
 - 
現在
京都大学 人間・環境学研究科 博士後期課程
 
2014年4月
 - 
2016年3月
京都大学 人間・環境学研究科 修士課程
 
2010年4月
 - 
2014年3月
京都大学 総合人間学部 人間科学系
 

論文

 
効果的なファカルティ・ディベロップメントの条件を考察する――デューイの反省的注意とセネットのクラフツマンシップ――
谷川 嘉浩
人間・環境学   (26)    2017年12月   [査読有り]
ロマン主義的遺産の相続者、ジョン・デューイ――コールリッジとデューイの想像力論――
谷川 嘉浩
日本デューイ学会紀要   (58) 45-55   2017年10月   [査読有り]
谷川 嘉浩
人間存在論   (23) 139-150   2017年7月   [査読有り]
It seems that the awakening experiences have attracted much more attention in the fictional entertainments like movies and the realistic menace like terrorisms. According to the famous study by William James on the awakening experiences (conversio...
谷川 嘉浩
アルケー   (25) 67-78   2017年6月   [査読有り]
ジョン・デューイ宗教的経験論の解明――Commonの問題をめぐって
谷川 嘉浩
京都大学大学院修士学位論文      2016年3月   [査読有り]

Misc

 
悲劇への共感と想像の中の身体――自然主義的/まんが・アニメ的リアリズムの観点から
谷川 嘉浩
観光学術学会第6回大会発表要旨集   30-31   2017年7月   [査読有り]
谷川 嘉浩
人間存在論   23 39-52   2017年7月   [査読有り]
京都大学で開催された、日英共同カンファレンス「近代ヨーロッパにおける理性・差異・寛容」(2016年8月2-4日)での発表を基にした、Beth Lord(アバディーン大学)の論文"Spinoza and Rancière on disagreement and equality"の翻訳を担当した。
谷川 嘉浩
応用哲学会 第9回年次研究大会 プログラムと予稿   16-17   2017年4月
谷川 嘉浩
関西哲学会第69回大会 発表要旨集   17   2016年10月
想像力、ロマン主義、創造性――デューイ心理学からよむ彼の宗教論
谷川 嘉浩
日本デューイ学会第60回研究大会プログラム・発表要旨集   58-59   2016年9月

講演・口頭発表等

 
ゲーム・スタディーズ入門――ゲーミフィケーション、シリアスゲーム、アナログゲーム、デジタルゲーム
谷川 嘉浩
大学改革史を学ぶ会 +ゲームについて学ぶ会   2017年9月23日   
「リベラリズムは、豚を焼くために納屋を燃やしてしまった」――リップマンとデューイの先入見論
谷川 嘉浩
日本デューイ学会第61回大会   2017年9月17日   
谷川 嘉浩
メディア・コンテンツ・ツーリズム研究会(2017年度第1回)   2017年8月29日   岡本健・田島悠来
キャンパスブラザ京都5階の第4演習室で開催。
悲劇への共感と想像の中の身体――自然主義的/まんが・アニメ的リアリズムの観点から
谷川 嘉浩
観光学術学会第6回大会   2017年7月2日   
消費社会における超越性の問題――ブーアスティン、デューイ、ニーバー――
谷川 嘉浩
アメリカ哲学フォーラム第4回大会   2017年6月25日   

Works

 
Kotaku   その他   2017年6月
今なお人気が高いゲーム「スナッチャー」(小島秀夫監督)の開発に携わったヨシオカサトシさんのインタビュー記事。その日英翻訳を担当した。インタビュアーおよび文章は、SF作家のPeter Tieryas。
谷川 嘉浩   その他   2017年2月
20世紀アメリカで台頭したキリスト教の原理主義的な動きを、ジョン・デューイが論評した文章"Fundamentals"(1924)を翻訳し、noteにて解題と共に公開。
谷川 嘉浩   その他   2016年10月
全米最大規模のファカルティ・ディベロップメント担当者のネットワークであるPOD(Professional and Organizational Development Network in Higher Education)がウェブ上で公開している「教育開発」の定義を翻訳し、noteで解題と共に全文公開。
アメリカで発案・流通していたFDという語彙が放棄ないし再定義された様を知るのに格好の文章。原文へのリンクあり。
谷川 嘉浩   その他   2016年6月
ジョン・デューイによるウォルター・リップマンのPublic Opinionに対する書評を拙訳し、noteにて解題と共に公開。
デューイ-リップマンの政治思想を検討する上での最重要文献の一つ。New Republicにおいて1922年に発表された。
谷川 嘉浩   その他   2014年4月
ジョン・デューイの「戦争の社会的帰結」(”War’s Social Results”29 July 1917)の拙訳を、noteにて解題と共に公開。
第一次世界大戦中に発表された原稿で、インタビューを基に作成されている。

競争的資金等の研究課題

 
京都大学: 第五回京都大学学際研究着想コンテスト
研究期間: 2017年6月       代表者: 萩原広道
京都大学学際融合センターが主催するコンテストで最優秀賞を獲得し、研究奨励支援資金を受けた(審査員は、山極寿一総長、京都大学の教授陣、京都大学を卒業した経済界の面々から成る)。私は、教育哲学、大学教育学、社会的自己論、ゲームスタディーズの観点から、研究に貢献している。

社会貢献活動

 
【講師, 企画, 運営参加・支援】  2017年4月 - 現在
京都大学人間・環境学研究科院生による「領域交差型院生FD」プログラム。
学部生向けに、院生がリレー講義・異分野ディスカッション・進路や研究の相談などを行い、院生同士でも、講義検討会、院生質問、研究計画書の検討などを行う。
人間・環境学研究科の院生が主導する企画だが、研究科内の学際教育研究部の後援を受けている。
【出演, 司会, 企画, 運営参加・支援】  谷川嘉浩  (GACCOH)  2017年11月23日
谷川嘉浩と、教育学者・高田正哉が、それぞれ講義した後に、対話を行うというイベント。
「ディズニーランドは決して完成しない。世界に想像力ある限り。これは、ウォルト・ディズニーの言葉です。彼は生涯「想像力」の重要性を強調しました。
 認知言語学者のM.ジョンソン、文学者のL. トリリング、哲学者のS. フェスマイアなど、想像力をキータームにする研究者も多くいます。想像力は大切だという考えは、もはや常識だと言えそうです。
 しかし、「想像力はどんな能力か」と聞かれても、恐らく多くの人は、「ここに...
【講師, 企画】  数理言語教室「ば」  (数理言語教室「ば」)  2017年11月14日
小学生6年生、そして、中高生向けに、「勉強」について考えるワークショップを催した(計5時間)。講師は、理論物理学が専門の高三和晃と二人で務めた。
【出演】  X-academy  2017年11月13日
学部生向けに自身の研究との出会いや、研究による変化、研究者生活の実際について語ったほか、書籍の推薦などを行った。X-academyは京都大学生協の学生組織。
【講師】  京都大学高大連携事業  平成29年度学びコーディネーター  (鈴鹿高等学校)  2017年11月7日
高校生を対象(約20名)。60分の講義に加えて、30分の生徒対応(計90分)。

その他

 
2017年8月   「大学院生のための教育実践講座」修了
2017年8月22日に開催された、京都大学主宰の「大学院生のための教育実践講座」を修了し、総長名(山際壽一)の修了証を受領した。
なお、当該講座は、京都大学の高等教育推進センターの主唱する「プレFD」(ファカルティメンバーになる以前の院生やポスドク、非常勤講師を対象とする)の理念に基づいている。 http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/prefd/study/
日本学生支援機構大学院第一種奨学金の返還一部免除
修士課程在学中にJASSOから貸与された第一種奨学金の返還が一部免除された。