2018年4月 - 2021年3月
水難事故防止教育の着衣泳における系統に基づいた浮き身指導法の開発とその効果の検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
水難者の多くは,完全または部分的に衣服を着た状態で水難事故に遭遇しているため,安全確保・生命維持の観点から,着衣のまま水中に落ちた場合の対処の仕方を学習することは重要である.近年,衣服の着用が水中での身体の浮き方に影響する可能性が指摘されている.
本研究は,夏の軽装を想定した衣服及び靴の着用が,水中におけるヒトの肺気量,浮力および水平姿勢に及ぼす影響を検証した.
10名の男子大学生を対象に,全ての測定はストリームライン姿勢で実施した.対象者の重心測定は陸上にて実施し,水中浮力測定は水着条件と着衣条件とした.水着条件では腰から膝上丈のスパッツ型水着を着用した.着衣条件では,スパッツ型水着に加えて体育授業用のTシャツとハーフパンツ(共にアクリル100%)に服装を統一した.靴は,一般的な運動靴を着用した.対象者が着用する水着,衣服,および靴は同一メーカー,同一品番とし,各々の体格に合わせてサイズを調整した.肺気量の測定は差圧積分型流量センサを用いた.浮力測定は引張圧縮両用型小型ロードセルを用いた.
検証の結果,肺気量は,着衣時(1.47±0.32mL)が,水着時(1.83±0.66mL)に比べ有意な低値を示したが,浮力に統計学的有意差は認められなかった.浮心重心間距離は,着衣時(0.17±0.55㎝)が,水着時(1.46±0.42mL)に比べ有意な低値を示した.
本研究の結果から,靴の着用は,肺換気量の減少に伴う浮力の減少を補完し,元来沈下しがちな下肢を持ち上げて身体を水平に近づける可能性が示唆された.
本研究は,夏の軽装を想定した衣服及び靴の着用が,水中におけるヒトの肺気量,浮力および水平姿勢に及ぼす影響を検証した.
10名の男子大学生を対象に,全ての測定はストリームライン姿勢で実施した.対象者の重心測定は陸上にて実施し,水中浮力測定は水着条件と着衣条件とした.水着条件では腰から膝上丈のスパッツ型水着を着用した.着衣条件では,スパッツ型水着に加えて体育授業用のTシャツとハーフパンツ(共にアクリル100%)に服装を統一した.靴は,一般的な運動靴を着用した.対象者が着用する水着,衣服,および靴は同一メーカー,同一品番とし,各々の体格に合わせてサイズを調整した.肺気量の測定は差圧積分型流量センサを用いた.浮力測定は引張圧縮両用型小型ロードセルを用いた.
検証の結果,肺気量は,着衣時(1.47±0.32mL)が,水着時(1.83±0.66mL)に比べ有意な低値を示したが,浮力に統計学的有意差は認められなかった.浮心重心間距離は,着衣時(0.17±0.55㎝)が,水着時(1.46±0.42mL)に比べ有意な低値を示した.
本研究の結果から,靴の着用は,肺換気量の減少に伴う浮力の減少を補完し,元来沈下しがちな下肢を持ち上げて身体を水平に近づける可能性が示唆された.
- ID情報
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- 課題番号 : 18K17796
- 体系的課題番号 : JP18K17796
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
XIIIth International Symposium on Biomechanics and Medicine in Swimming Proceedings 449-454 2018年9月 査読有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
2-
日本コーチング学会第31回大会兼第13回日本体育学会体育方法専門領域研究会 2020年3月17日 日本コーチング学会
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XIIIth International Symposium on Biomechanics and Medicine in Swimming 2018年9月21日 International Council Biomechanics and Medicine in Swimming