2021年4月 - 2023年3月
近代神道における柳田民俗学の思想とその射程
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
2021年度は、主に柳田国男の学問形成期となる明治末期から大正期の論考を同時代的な神道言説と比較しながら検討した。
とくに考察の中心となったのは、明治45年(1912)の「塚と森の話」である。同論を同時代の神社政策や史蹟保存運動という状況のなかから再検討することで、同論が柳田のその後の学問にとって重要な位置にあったのみならず、近世の知と繋がりつつ、新しい歴史学の動向と重なっていたことを指摘した。この内容は、2021年11月に日本思想史研究会で口頭発表し、2022年3月に『日本思想史研究会会報』第38号に論文として掲載された。
また、これまで柳田の学問が漠然と「平田国学」と関連づけられてきたことに対して、柳田の「平田派」理解を手がかりとして、大国隆正と宮地厳夫という二つの思想的系譜を取り出し、当該期における知のネットワークの動態を検討した。この内容は、2022年3月に日本宗教民俗学会で口頭発表しており、2022年度中に論集に掲載される予定である。
さらに、前述の宮地厳夫の系譜をたどるうえで、柳田の学知が心霊研究の世界と深く関わっていることがわかってきた。当該期における柳田受容のひろがりとして、2022年1月に日本心霊学会の動向を研究会で口頭発表し、この内容は2022年度中に論集に掲載される予定である。
そのほか、研究課題と関連したテーマ報告として2021年8月に口頭発表を行い、2021年11月には受入研究機関において研究課題の経過についてポスター報告を行った。
とくに考察の中心となったのは、明治45年(1912)の「塚と森の話」である。同論を同時代の神社政策や史蹟保存運動という状況のなかから再検討することで、同論が柳田のその後の学問にとって重要な位置にあったのみならず、近世の知と繋がりつつ、新しい歴史学の動向と重なっていたことを指摘した。この内容は、2021年11月に日本思想史研究会で口頭発表し、2022年3月に『日本思想史研究会会報』第38号に論文として掲載された。
また、これまで柳田の学問が漠然と「平田国学」と関連づけられてきたことに対して、柳田の「平田派」理解を手がかりとして、大国隆正と宮地厳夫という二つの思想的系譜を取り出し、当該期における知のネットワークの動態を検討した。この内容は、2022年3月に日本宗教民俗学会で口頭発表しており、2022年度中に論集に掲載される予定である。
さらに、前述の宮地厳夫の系譜をたどるうえで、柳田の学知が心霊研究の世界と深く関わっていることがわかってきた。当該期における柳田受容のひろがりとして、2022年1月に日本心霊学会の動向を研究会で口頭発表し、この内容は2022年度中に論集に掲載される予定である。
そのほか、研究課題と関連したテーマ報告として2021年8月に口頭発表を行い、2021年11月には受入研究機関において研究課題の経過についてポスター報告を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 21J10251
- 体系的課題番号 : JP21J10251
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
5-
アジア遊学 (281) 242-253 2023年3月 招待有り
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博士論文(佛教大学) 1-147 2023年3月 査読有り
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山下久夫・斎藤英喜編『平田篤胤 狂信から共振へ』法藏館 235-259 2023年2月 招待有り
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栗田英彦編『「日本心霊学会」研究――霊術団体から学術出版への道』人文書院 139-169 2022年10月 招待有り
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日本思想史研究会会報 (38) 35-48 2022年3月 査読有り
書籍等出版物
3-
勉誠社 2023年3月 (ISBN: 9784585325277)
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法藏館 2023年2月 (ISBN: 9784831862761)
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人文書院 2022年10月 (ISBN: 9784409031179)
講演・口頭発表等
4-
日本宗教民俗学会 3月例会 2022年3月12日 招待有り
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佛教大学 Open Research Weeks 2021 招待有り
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日本思想史研究会(京都)例会 2021年11月5日
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歴史論研究会 関西部会 第16回例会 2021年8月7日 招待有り