共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

近代神道における柳田民俗学の思想とその射程

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
21J10251
体系的課題番号
JP21J10251
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
900,000円
(直接経費)
900,000円
(間接経費)
0円

2021年度は、主に柳田国男の学問形成期となる明治末期から大正期の論考を同時代的な神道言説と比較しながら検討した。
とくに考察の中心となったのは、明治45年(1912)の「塚と森の話」である。同論を同時代の神社政策や史蹟保存運動という状況のなかから再検討することで、同論が柳田のその後の学問にとって重要な位置にあったのみならず、近世の知と繋がりつつ、新しい歴史学の動向と重なっていたことを指摘した。この内容は、2021年11月に日本思想史研究会で口頭発表し、2022年3月に『日本思想史研究会会報』第38号に論文として掲載された。
また、これまで柳田の学問が漠然と「平田国学」と関連づけられてきたことに対して、柳田の「平田派」理解を手がかりとして、大国隆正と宮地厳夫という二つの思想的系譜を取り出し、当該期における知のネットワークの動態を検討した。この内容は、2022年3月に日本宗教民俗学会で口頭発表しており、2022年度中に論集に掲載される予定である。
さらに、前述の宮地厳夫の系譜をたどるうえで、柳田の学知が心霊研究の世界と深く関わっていることがわかってきた。当該期における柳田受容のひろがりとして、2022年1月に日本心霊学会の動向を研究会で口頭発表し、この内容は2022年度中に論集に掲載される予定である。
そのほか、研究課題と関連したテーマ報告として2021年8月に口頭発表を行い、2021年11月には受入研究機関において研究課題の経過についてポスター報告を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J10251
ID情報
  • 課題番号 : 21J10251
  • 体系的課題番号 : JP21J10251

この研究課題の成果一覧

論文

  5

書籍等出版物

  3

講演・口頭発表等

  4