2017年3月
社会の「サイバネティクス化」は個人をどう変えたか──アンリ・ルフェーヴルの「人間の典型」批判──
東京大学 修士論文
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 学位論文(修士)
本稿では「サイバネティクス人」という概念を中心に据えて、哲学者・社会学者アンリ・ルフェーヴルの「人間の典型」批判の全体像を年代ごとに検討した。本稿の独自性は、先行研究では鍵語として扱われない「人間の砂」という語句が初期から後期にわたるかれの著作に一貫してみられることを証明した点と、60年代以降のルフェーヴルの目的意識が「方向づけ」という概念に着目することで具体的に捉え直せることを明らかにした点にある。