論文

2013年3月20日

「物語二百番歌合」試論 : 本歌取りの手法にみる共時性を端緒として

日本語日本文学
  • 山本 美紀
  • ,
  • Miki YAMAMOTO

23
開始ページ
13
終了ページ
27
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
創価大学日本語日本文学会

本歌取りを得意としていた藤原定家は、本歌を巧みに想起させるように本歌取りの歌を創作している。一方で本歌との違いを明かにし本歌取りの歌と本歌とが別の歌であることをも示している。それにより、読み手は本歌と本歌取りの歌を同時に見ることとなり、読みを干渉させることができる。「物語二百番歌合」はその本歌取りの手法のように、もととなる物語と、その物語から撰ばれた歌からなっている。共時にあることで読みを干渉させようとしているのである。ただし、歌と、その歌に付せられた詞書によってひらかれる物語は、同一のことばで記されながらも、歌によってひらかれた物語であるという点で異なるものである。そして、異なるがゆえに見えなかった、あるいは見えにくかった新たな可能性を見せている。本論では、「物語二百番歌合」の後半部である「後百番歌合」のひとつの番を考察対象とし、その可能性について検討している。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120005514868
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10387152
URL
http://hdl.handle.net/10911/4028
ID情報
  • ISSN : 0917-1762
  • CiNii Articles ID : 120005514868
  • CiNii Books ID : AN10387152

エクスポート
BibTeX RIS