論文

査読有り
2019年11月

除染後の落葉広葉樹林林縁地における放射性セシウム流出量の経年変化

KEK Proceedings 2019-2
  • 渡辺 貴善
  • ,
  • 佐々木 祥人
  • ,
  • 新里 忠史
  • ,
  • 三田地 勝昭*
  • ,
  • 伊藤 聡美

開始ページ
114
終了ページ
119
記述言語
日本語
掲載種別

森林の除染作業では、森林の地面に堆積している落葉がすべて取り除かれて、土砂が露出した状態になる場合がある。その後、土砂が露出した地面が下草や落葉で覆われるようになると、雨による地面の侵食の大きさが変化し、放射性セシウムの流出量も変化すると考えられる。本件は、森林の除染後の放射性セシウムの流出と地面の被覆率の変化を調べたものである。除染された福島県内の落葉広葉樹林において、観測区画を設定し、除染後の3年間にかけて放射性セシウムの流出を観測した。観測の結果、沈着した放射性セシウムに対する流失した放射性セシウムの流出率は、年々減少していくことがわかった。対して、森林の地面の被覆率は年ごとに増加する傾向にあった。以上から、森林の除染後、下草や落葉による地面の被覆が増えるにつれて、放射性セシウムの流出率が低下していくことが確認された。

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URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5064953

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