論文

査読有り
2019年7月

福島の森林土壌環境における放射性セシウムの移行における糸状菌の役割

Environmental Science; Processes \& Impacts
  • 大貫 敏彦
  • ,
  • 坂本 文徳
  • ,
  • 香西 直文
  • ,
  • 難波 謙二*
  • ,
  • 根田 仁*
  • ,
  • 佐々木 祥人
  • ,
  • 新里 忠史
  • ,
  • 渡辺 直子*
  • ,
  • 小崎 完*

21
7
開始ページ
1164
終了ページ
1173
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1039/C9EM00046A

福島第一原子力発電所事故により降下した放射性セシウム(以下、Csとする)の挙動及び関連する放射線学的影響は、表層土壌から森林生態系へのCsの移動性に大きく関係する。本研究では、福島県飯舘の森林で採取した野生きのこ子実体へのCs蓄積量を測定した。土壌から野生きのこ子実体へのCs移行係数(TF)は10$^{-2}$から10$^{2}$の間であった。この範囲は、チェルノブイリ事故後にヨーロッパのきのこについて報告された値、及び核実験降下物に対する日本のきのこについて報告された値の範囲と類似していた。野生きのこのTF値と、704種類のきのこ菌糸をCsを含む栄養寒天培地で生育したときのTF値とを比較したところ、野生きのこのTF値の方が低かった。寒天培地に1重量\%の鉱物(ゼオライト等)を加えたところTFは0.1以下になった。添加した鉱物がきのこによるCs吸収を低下させることが明らかとなった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1039/C9EM00046A
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5065791
ID情報
  • DOI : 10.1039/C9EM00046A
  • ISSN : 2050-7887

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