2010年 - 2012年
極低温電子アブレーションによる有機EL薄膜作製
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では、パルスレーザ堆積(PLD)法を用いて、フレキシブル基板上に、高分子型の有機EL薄膜を作製することで有機ELディスプレイを作製する。このとき、モノマー有機材料(粉体)を圧縮などで固化した高密度のAlq3ターゲットを利用し、光熱分解過程を利用することにより先駆体を必要とせず直接基板上へ高分子型有機EL薄膜を作製することを試みる。これによって、作業プロセスの簡略化,膜質制御や高品質化を試みる。液体窒素を用いてターゲットを77Kに冷却し、その状態でNd:YAGレーザ(532nm)を用いたPLD法によりAlq3薄膜を作製した。Alq3薄膜は0.5J/cm2以上のレーザフルエンスで作製できた。FT-IR分析により、堆積膜はAlq3ターゲットと同じ波数の光を吸収していた。UV-Vis分析により、堆積膜は波長400nm付近で透過率が減少し、Alq3の特有の吸収がみられた。このことは作製薄膜が、構造的にも光学的にも有機ELとして動作することを示唆している。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 22540510
- 体系的課題番号 : JP22540510