講演・口頭発表等

国際会議

大気中の光分解とガス粒子変換過程を考慮した大気中のヨウ素129の全球輸送モデルの開発

American Geophysical Union 2017 Fall Meeting (AGU 2017)
  • 門脇 正尚
  • ,
  • 堅田 元喜*
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  • 寺田 宏明
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  • 鈴木 崇史
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  • 長谷川 英尚*
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  • 赤田 尚史*
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  • 柿内 秀樹*

開催年月日
2017年12月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
アメリカ合衆国

ヨウ素129($^{129}$I)は、年代測定や物質循環研究のトレーサーとして有用である。大気中の$^{129}$Iは、主に核燃料再処理施設の排出と海洋からの揮発に起因する。大気中へ放出された$^{129}$Iは大気沈着の影響を受けながら全球に大気輸送されるが、大気中の$^{129}$Iの時空間分布は十分に理解されていない。そこで、本研究では、大気中の$^{129}$Iの全球分布と季節変動をシミュレートするために、移流拡散、大気沈着、核燃料再処理施設からの排出、海洋からの揮発、光化学、ガス粒子変換を考慮した$^{129}$Iの全球輸送モデルを開発した。全球輸送モデルの入力気象場を計算するために、気象モデルWRF (Weather Research and Forecasting)と再解析データERA-Interimが用いられた。モデル検証のため、2006年1月1日から2010年12月31日を対象とした$^{129}$Iの大気拡散計算を実施し、観測値と比較をした。2006年から2010年の間に六ヶ所で観測されたガス態と粒子態の$^{129}$Iの大気濃度と沈着量とモデル結果を比較したところ、モデルは観測された$^{129}$Iの大気濃度や沈着量の季節変動を良好に再現した。さらに、過去に欧州、アジア、北米で観測された$^{129}$Iの降水中濃度とモデル結果を比較したところ、モデル結果は観測された$^{129}$I濃度の地理的分布を良好に再現した。本発表では、モデル結果から示唆される大気中の$^{129}$I濃度の時空間分布と大気中の$^{129}$I循環を支配する要因について議論する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5060150