任意の期間と放出源情報に対する大気拡散計算結果を即座に提供可能な大気拡散データベース計算手法の開発
日本原子力学会2018年秋の大会
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- 開催年月日
- 2018年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 岡山
- 国・地域
- 日本
緊急時大気拡散予測システムWSPEEDI-IIを用いた福島第一原子力発電所事故対応の経験から明らかとなった課題を解決するため、新たな大気拡散計算手法を開発した。本手法では、一定間隔で分割した単位放出期間について放射性壊変しない沈着特性で分類した代表物質を対象とした単位放出条件の大気拡散計算を実施し、全放出期間の大気中濃度と地表沈着量の計算結果をデータベースとして保存しておく。これに単位放出期間ごとの対象核種の放出率と壊変による減衰率を適用することで、任意の放出条件に対する計算結果を即座に得ることが可能となる。また、毎日の気象データ更新に合わせた定常的な計算によりデータベースを連続的に蓄積するとともに、数日先までの予報計算部分が気象データ更新に伴い解析計算になるまで更新される際に予報計算部分のデータベースも保存しておく。以上により、任意の解析期間と放出条件の大気拡散計算結果を即座に取得するとともに、大気拡散計算の不確実性の情報を取得可能とした。本手法を実在する原子力発電所に適用した試験により、従来手法とほぼ一致する大気拡散解析結果を従来手法の1/30程度の時間で取得できることを確認した。