福島第一原子力事故で放出された放射性物質の半球規模大気拡散解析
CTBT: Science and Technology 2019 Conference (SnT 2019)
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- 開催年月日
- 2019年6月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 国・地域
- オーストリア
2011年3月の福島第一原子力発電所事故により放出されたCs-137の半球規模大気拡散計算を実施し、CTBT国際モニタリングシステムによる観測データと比較した。本研究で利用した大気拡散モデルは原子力機構が開発したWSPEEDI-IIである。WSPEEDI-IIは大気力学モデルWRFと大気拡散モデルGEARNから構成されている。シミュレーション結果と測定とを比較した結果、全般に高い再現性を示した。本研究ではさらに、放出期間を限定した拡散計算により、CTBT観測点で3月中に観測されたCs-137の放出時間を調べた。3月12日から14日までに放出されたCs-137は北半球のほぼ全域に拡散し、ヨーロッパで測定されたCs-137の大部分はこの期間中の放出によるものであった。一方、3月17日から19日までに放出されたCs-137は、主に太平洋諸島周辺と米国の西海岸周辺に到達した。これらの結果は、福島第一原子力発電所事故起源のCs-137の放出量再推定に役立つ可能性がある。