共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

地域における木材流通を再構築するための新たなシステムの検証と付加価値の創出

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究
  • 渕上 佑樹

課題番号
18K14500
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

京都府中北部地域において、2017年5月に原木市場が閉鎖したことによる素材生産者および製材・加工事業者への影響を調査した。この結果から、京都府中北部の原木の品質等を考慮した時、地域内の合板工場とラミナ専門の製材工場に安定的に原木を供給することが流通の軸となり、そのためのプラットフォームとして森林組合系統のストックヤードが原木の取扱量を増やしていくことが重要であること等がわかった。この研究成果については、2019年度に追加的に実施する調査内容と合わせて研究論文として取りまとめる予定である。
また、三重県においては、県産材を使用したCLT工法の学校建築物の環境影響評価を行った。CLTに使用するラミナの製材、乾燥は県内の小規模事業者が行っており、CLTは県産材の新たな利用方法として期待されている。CLT工法を用いた木造学校建築物を対象にライフサイクルから排出されるGHG量の定量化を行った結果、同じ設計条件のRC造、S造建築物と比べてそれぞれ約31%、約19%のGHG排出量の削減となることがわかった。この研究成果については、2018年3月の日本木材学会大会(函館)で発表した。また、2019年度中に論文として学術誌への投稿を行う予定である。
この他、三重県内において大規模森林所有者が生産した丸太の出荷傾向に関する分析調査も行っており、今後も継続する予定である。
林業・木材産業の先進国であるオーストリアの調査では、EUの環境施策における林業・木材産業の位置づけと、環境施策を利用した地域活性化の事例を複数の都市におけるヒアリング調査によって整理した。2019年度は製材事業者の経営の実態についてより詳しい調査を行う予定である。