1994年9月
『観経』の構造的理解にみる「異方便」の意義
第53回日本宗教学会大会発表
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 立正大学
『観経』(観無量寿経)には、定善(精神を統一)の観法、これを行えないものが修める散善(悪を止め種々の善行を行う)の行が説かれ、さらには経典の最後の流通分に示される称名念仏の行が中心の行と解釈できる記述など、様々な行が説かれている。当発表では、善導が定散二善の宗教的意義を尊重しつつ、なおも『大経』所誓の「本願」の称名念仏の世界へ導く「異方便」として捉えている点に着目し、『観経』の普遍性を『大経』との重層的な関係の中にみいだしている点を明らかにした。