論文

査読有り
2013年5月

隆寛浄土教と天台本覚思想

仏教文化研究所紀要

第13号
開始ページ
27
終了ページ
46
記述言語
日本語
掲載種別

法然と親鸞の浄土教学を結ぶ人物として重要なのが聖覚と隆寛である。聖覚については8において論考したので、ここでは隆寛の教学的特色を天台本覚思想の上に確認した。従来、隆寛は法然門下のなかでも一念義・多念義、安心派・起行派と分類される際に、評価が分かれている。望月信亭は隆寛を安心派に、石田充之は他力強調派(起行派)と論定している。石田は法然門下の教義的特色の見る上で、当時先鋭化していた天台本覚思想に対する受容形態も大きな要素として指摘している。当論では、隆寛の浄土教義と本覚思想を含む天台教学との関係を整理し、特に「一念往生」思想を中心に隆寛の思想構造の特色を考察した。

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