1994年5月
善導の仏身論における「法界身」の意義
印度学仏教学研究
- 巻
- 43
- 号
- 1
- 開始ページ
- 228
- 終了ページ
- 230
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.4259/ibk.43.228
- 出版者・発行元
- JAPANESE ASSOCIATION OF INDIAN AND BUDDHIST STUDIES
善導の仏身論の基本的構造は、三身論(法身・報身・応身)を基礎として、「三身即一の報身」弥陀如来を説示するところにその特色を伺うことができる。そして、かかる仏身の具体性、実践性は「法界身」としてポジティブに衆生と関わることが示される。法界身とは、直接的には『観経』第八像観に説かれる観仏の対象としての仏身のことであるが、善導はこの『観経』の観法を具体的な事相を観じることと示し、仏身についても唯心的な仏ではなく、衆生と二元的関係にある事仏身とする。そしてその仏身・法界身は衆生の求めに応じて顕現する躍動的な存在として示すのである。当論では、善導の法界身理解を明らかにした上で、その阿弥陀仏論の特色を考察した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.4259/ibk.43.228
- ISSN : 0019-4344
- CiNii Articles ID : 130004026323
- CiNii Books ID : AN00018579