2008年 - 2010年
メンタルヘルスとメタボリックシンドロームとの関連-血清BDNFと身体活動の役割
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
今回の研究において、睡眠障害とメタボリックシンドローム因子(MetS因子)との間に正の関連性が認められた。ベースラインでは、睡眠障害とMetS因子数とは双方において約2倍の保有リスクが観察された。さらに、2年間のフォローアップにおいて、MetS因子を2つ以上保有者は1つ以下の保有者と比較して、睡眠障害発症のリスクが約2.5倍であった。一方、睡眠障害はMetS因子の発症リスクとはならなかった。
また、血清BDNFレベルは、女性が男性よりも有意に低くかった。さらに、身体活動と血清BDNFとの関連性においても、男性においては血清BDNFレベルと身体活動との間に正の関連性が認められたが、女性においては観察されなかった。一方、女性において睡眠障害におけるPSQI得点との有意な負の相関関係が認められ、女性における睡眠障害保有者は非保有者に比較して血清BDNFが有意に低かった。しかし、男性においてはその差は認められなかった。
本研究結果において、MetSは睡眠障害のリスクとなる可能性を示した。さらに、睡眠障害とMetSの有病率には性差があることに、BDNFのメカニズムにおける役割があることも示唆された。
また、血清BDNFレベルは、女性が男性よりも有意に低くかった。さらに、身体活動と血清BDNFとの関連性においても、男性においては血清BDNFレベルと身体活動との間に正の関連性が認められたが、女性においては観察されなかった。一方、女性において睡眠障害におけるPSQI得点との有意な負の相関関係が認められ、女性における睡眠障害保有者は非保有者に比較して血清BDNFが有意に低かった。しかし、男性においてはその差は認められなかった。
本研究結果において、MetSは睡眠障害のリスクとなる可能性を示した。さらに、睡眠障害とMetSの有病率には性差があることに、BDNFのメカニズムにおける役割があることも示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 20500638
- 体系的課題番号 : JP20500638