2018年4月 - 2021年3月
非臨床性能評価を深化する超小型血液循環シミュレータの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 18H03555
- 体系的課題番号
- JP18H03555
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,680,000円
- (直接経費)
- 13,600,000円
- (間接経費)
- 4,080,000円
- 資金種別
- 競争的資金
研究代表者(梅津)の40年間にわたる“血液循環シミュレータ”開発の総仕上げとして、従来の約1/6 のスケールで新鮮血を循環させる“超小型血液循環シミュレータ”の開発を目指す。2つの新規医療機器(冠動脈用ステントおよび塞栓コイル)それぞれを開発中のシミュレータに挿入し、その機器性能が患者に使用した際の状況と限りなく近づくまでシミュレータの性能向上を図る。従来は、一巡の回路の一部を分岐させて新規医療機器の性能評価をしていたが、このミニ循環の手法により、機器ごとに血圧・血流条件を正確に設定できるので、適正使用法やリスク対応がより明確化できる。そして最終年には、厚生労働省が出す評価法ガイドライン、JIS規格、ISO規格に活用される装置の開発を目指す。これにより産官学それぞれに対して有用となる“血液循環シミュレータ”ができると考えており、新規医療機器の品質の保証、安全性と有効性確認の今まで以上に科学的根拠に基づいた方法論が確立できる。本年度は、開発した超小型血液循環シミュレータを塞栓コイルの性能試験用として活用し、シミュレータの性能を明確化することを目的として、ブタ鮮血を循環させた回路に設計の異なる3種類の塞栓コイル(以下コイル)を留置し、3次元留置形態が留置後の血流量、コイル前後の圧較差に及ぼす影響を評価した。その結果、水を用いた実験では明らかにすることができない血栓の形成を踏まえたうえでの、デバイスの設計の違いがコイル留置後の血流量の変化、コイル前後の圧較差や塞栓するまでに要する時間に影響を及ぼすことを明らかにすることができた。さらには、臨床では分析が困難である設計の違いがコイル留置部における血栓の形成と成長の仕方についても分析することができ、開発した回路の有用性を明確化することができた。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 18H03555
- 体系的課題番号 : JP18H03555