2009年6月
下顎側切歯部に認められた過剰歯の1例
岡山歯学会雑誌
- 巻
- 28
- 号
- 1
- 開始ページ
- 61
- 終了ページ
- 63
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 岡山歯学会
9歳女児。左側下顎乳臼歯のう蝕を主訴に近医を受診した。その際のX線検査によって、左側下顎側切歯遠心部における過剰歯の萠出、ならびに左側下顎第二小臼歯の先天的欠如の可能性を指摘された。左側下顎犬歯および第一小臼歯は未萠出で、将来同歯が正常に萠出するか不安を抱いたため、紹介受診した。左側切歯部に、切歯状を呈する歯が3本存在し、その3本のうち、過剰歯が1本存在していると考えられた。しかし、同歯を含む左側下顎切歯3本について、歯冠形態および萠出状態に差異はなく、また、若干黄ばんだ色調からも永久歯と思われ、いずれの歯が過剰歯か判然としなかった。パノラマX線写真による画像所見として、左側下顎前歯部の3本の切歯全てにおいて、エナメル質、象牙質、歯髄腔の区別ができ、歯冠形態および歯根の形成に差異はなく、また、根尖も同様に閉鎖、完成していることから、いずれの歯が過剰歯かは判然としなかった。
- ID情報
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- ISSN : 0913-3941
- 医中誌Web ID : 2009329072