Profile Information

Affiliation
Tokyo Metropolitan University
Degree
博士(理学)(東京都立大学)

J-GLOBAL ID
201401070615996234
researchmap Member ID
B000241700

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都市・人文地理学研究室
の中でも特に私の指導に興味がある学生さんへのメッセージ

都市・人文地理学は人文・社会科学の一分野です。広い意味では,人間や社会を対象として,地理学的なアプローチで研究します。具体的な研究テーマとして,これまで私がしてきた研究テーマの例を挙げると,人口の都心回帰現象,IT産業の立地,不動産証券投資,裏原宿のストリートファッション,働く女性の生活時間,訪日外国人の観光行動,江戸時代の城下町絵図などがあります。ばらばらのテーマを扱っているように見えるかもしれませんが,ほぼ一貫して,東京大都市圏を研究対象地域としています。私は自分の興味にしたがってきた結果,多くの人の支えがあり,さまざまな研究をすることができています。学生さんも,自分の興味があることを大事にするとよいのではないでしょうか。

研究テーマを絞るに当たって,すでに自分の興味・関心が定まっている人もそうではない人もいると思いますが,どちらの人にも強くおすすめしたいのが,世の中の動きを知ることです。世の中の動きと関係が薄いことを研究しても,独りよがりの趣味性の強いものになってしまいます。そうならないためには,新聞を読むことをおすすめします。ネットの上に散らばるバラバラの記事を読むよりも,特定の編集方針の下でコンパクトにまとめられた新聞を読むことで,効率よく世の中の動きを知ることができるからです。自分の興味・関心と,世の中で問題となっていること,両者が交差するところを見つけることができればまずは十分でしょう。

次に,どのように研究対象にアプローチするかという分析手法に関してです。私の得意な分析手法は計量的なデータ分析手法です。他分野でも使う基本的な多変量解析の手法から,少し高度な地理空間分析手法まで,さまざまな手法を使って研究をしてきました。現在では,企業の持つ大量のデータが利益を生む資産とみなされたり,行政でもデータに基づいた意思決定が強調されたりと,データ分析に対する社会的なニーズは大きくなっています。さしあたり,高度なデータ分析手法を理解していることは全く求めませんが,基本的な統計学の授業内容を理解しておくことは重要です。さらに,自分の知らない新しい分析手法や簡単なプログラミングにも挑戦する,好奇心のある人は大歓迎です。

しかし,計量的な分析手法は人によって向き不向きがあるので,私が指導する学生さんは必ず全員が使うというものではありません。おおまかに言うと半々くらいでしょうか。もちろん,計量的な分析手法以外のアプローチも使います。これまでの私の研究でも,可能な限り聞き取り調査と計量的な分析手法を併用してきました。聞き取り調査により,計量的な分析手法の結果を裏付けたり,妥当な解釈をみつけたりすることができるからです。聞き取り調査では,対象者の人生に触れる,そんな貴重な経験をすることもできました。

自分で集めたさまざまなデータを分析して,結果を解釈することには,人間や社会の一端を理解する純粋な面白さがあるでしょう。
ここで学んだことを活かして,自分の人生を,そしてひいては社会をより豊かにする志を持った人を歓迎します。

Papers

  40

Misc.

  16

Books and Other Publications

  16
  • 日本地理学会 (Role: Contributor, 等質地域と結節地域,情報サービスを担う産業の立地)
    丸善出版, Jan, 2023 (ISBN: 9784621307939)
  • 矢部直人 (Role: Contributor, 地図とGISの発展,世界都市の都心空間,都市空間とエスニシティ・観光)
    放送大学教育振興会, Mar, 2022 (ISBN: 9784595323249)
  • 矢部直人 (Role: Contributor, インターネットでの食品の購入,シェアサービスの利用)
    古今書院, Feb, 2022 (ISBN: 9784772242288)
  • Yabe, N (Role: Contributor, Looking and thinking about regions through Geographic Information Systems)
    Ninomiya Publishing, Mar, 2021
  • YABE Naoto (Role: Contributor, Tokyo’s Economy, Harajuku backstreets and fashion)
    Asakura Publishing, Nov, 2020
  • YABE Naoto (Role: Contributor, Economy of Tokyo, Uraharajyuku and Fashion)
    Asakura Publishing, Apr, 2020
  • 矢部直人 (Role: Contributor, コラム金融:不動産証券化と東京における不動産開発)
    原書房, Jun, 2018
  • Naoto Yabe (Role: Contributor, Central Tokyo as a place for raising children while working)
    Springer, Mar, 2018
  • 矢部直人 (Role: Contributor, 教員養成系大学・学部におけるGIS教育の分析―教科内容学の視点を用いて)
    風間書房, Mar, 2018
  • 矢部直人 (Role: Contributor, 東京・裏原宿におけるアパレル小売店の集積に関する研究)
    二宮書店, Mar, 2018
  • 矢部直人 (Role: Contributor, GISの普及と人文地理学,世界都市の都心空間,都市空間とエスニシティ・観光)
    放送大学教育振興会, Mar, 2018
  • YABE Naoto (Role: Contributor, Service Design in Tourism: Encouraging a cooperative relationship between professional design and non-professional design.)
    Springer, May, 2016
  • YABE Naoto (Role: Contributor, Time budgets of working mothers living in central Tokyo: An analysis on the impacts of the Internet)
    Tohoku University Press, Feb, 2015
  • 矢部直人 (Role: Contributor, 働きながら子育てをする場所としての東京都心)
    ナカニシヤ出版, Feb, 2015
  • 浅倉 有子, 志村 喬, 茨木 智志, 山縣 耕太郎, 矢部 直人, 花岡 公貴, 荒川 将, 泉 豊 (Role: Joint author, 高田の城下町絵図の楽しみ方)
    北越出版, Mar, 2014
  • The Human Geographical, Society of Japan (Role: Contributor, Visualization and communication of geographic information)
    Maruzen Publishing, Aug, 2013

Presentations

  49

Research Projects

  15