基本情報

所属
一橋大学 大学院言語社会研究科 講師
学位
博士(学術)(2014年3月 神戸大学)

連絡先
sakura.yahatar.hit-u.ac.jp
J-GLOBAL ID
201701017885589902
researchmap会員ID
B000273507

 以下の三つの課題を中心に研究・教育活動を行っています。

 

I. シェリング芸術哲学研究

1)構想力概念の影響作用史

 ドイツ観念論の哲学者F・W・J・シェリング(1775-1854年)は1800~1807年頃に芸術哲学を論じます。シェリングの芸術哲学は芸術に普遍的な美を認め、芸術家が作品を制作する卓越した創造力を重視します。この優れた創造力をシェリングは、カントが自身の批判哲学の中で人間の認識能力の一つとして認めた「構想力」(die Einbildungskraft)と結びつけて論じています。この構想力概念に着目して、シェリングがカント批判哲学を以下に受容し、展開させていったのかを検証しています。さらに、シェリングが同時代のドイツ観念論やドイツ初期ロマン主義(シュレーゲル兄弟)の構想力概念とどのような思想的影響関係にあったのかを、テキスト比較を通して研究しています。

2)ドイツの美術館と芸術アカデミーの成立史に基づくシェリングの芸術実践の調査

 シェリング芸術哲学は哲学理論のみならず、実際の芸術作品の分析も試みています。こうした作品分析には彼自身の芸術鑑賞体験や作品批評活動といった芸術実践活動に基づくものです。18~19世紀のドイツの美術館の成立史を調査し、シェリングの芸術体験を再構成することによって、彼の芸術に関する体験や知識がいかに哲学理論の構築に寄与したのかを検証しています。さらに、シェリングの批評や作品収集といった造形アカデミーでの活動に着目し、芸術哲学理論がどのように適用されているかを研究しています。

 

II. 風景と自然の概念に着目した現代芸術の調査

 シェリング芸術哲学やロマン主義の風景画、その風景に描かれている自然について研究を進める中で、「風景とは何か」ということに興味を持ち、調査・研究を進めています。近年日本で数多く開催されるようになった芸術祭や庭園・公園という公共空間に着目し、自然と芸術がいかに融合し、私達が風景をつくっていくかを検証しています。

 具体的には、モエレ沼公園などの公共空間が環境理解に果たす役割に関する研究や、新潟県越後妻有で開催されている大地の芸術祭に関して学生と現地調査やインタビュー活動を行ったり、イギリス・ニューカッスル大学のRural Artsプロジェクト(https://conferences.ncl.ac.uk/ruralarts/)で現地調査と研究発表を行ったりしています。

 

III. アクション・リサーチと哲学対話活動

 アクション・リサーチと哲学対話という方法を教育実践活動にも用いています。

 神戸大学人文学研究科の倫理創成プロジェクトの「アスベストマンガプロジェクト」(神戸大学倫理創成プロジェクトアスベストマンガ)に関わってきました。このプロジェクトは神戸大学人文学研究科と京都精華大学マンガ学部との共同プログラムで、関西地方を中心としたアスベスト被害の実態調査を行いました。その際にアクション・リサーチという、実際に現場に足を運んで問題を発見し、調査を進めるという研究方法を行ってきました。

 これまでに私は東京大学国際哲学研究センター(UTCP)で「Philosophy for Everyone」(P4E)(UTCP, P4E)の活動に参加し、地域や学校、職場など多様な場所で子どもから大人まで色々な方々と哲学対話を行ってきました。お互いがニュートラルな関係の中で進められる対話は、論理的な思考力を鍛えるだけでなく、互いの価値観を認め合う人間関係を形成していく場づくりにもなっています。

 こうした経験を生かして、アクション・リサーチや哲学対話をワークショップや、授業の実習活動、議論に取り入れています。


経歴

  20

委員歴

  6

書籍等出版物

  7

論文

  30

MISC

  28

講演・口頭発表等

  57

担当経験のある科目(授業)

  8

所属学協会

  8

共同研究・競争的資金等の研究課題

  10

社会貢献活動

  5

メディア報道

  3