共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

リハビリテーションによる神経回路リモデリングへのアルカドリンの関与

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K11520
体系的課題番号
JP20K11520
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

脳梗塞後、リハビリテーションにより、残存した脳組織が再編(リモデリング)され、欠損した神経回路機能を代償する。このとき、個体発生における神経回路形成過程の一部が再活性化すると考えられる。神経細胞が突起を伸ばし、結合すべき相手とシナプス結合し、神経回路を形成するためには、突起同士を特異的に結びつける接着分子が必要である。特に神経活動で誘導されるプロトカドヘリン・アルカドリンは重要である。本研究は、脳梗塞後のリハビリテーションでアルカドリンが神経回路リモデリングに果たす役割を明らかにすることを目指している。2020年度に引き続き、2021年度は以下の検討を進めた。
脳梗塞範囲に個体間のばらつきが少ない中大脳動脈閉塞モデルを作製できるC.B-17マウスを用い、脳梗塞発症後14日間の走行輪による自発運動が、治療的介入として強度、期間ともに適切であることを確認した。
脳梗塞発症後、自発運動の有無によるマウス運動能力の変化を、過年度に確立したワイヤハング試験、格子歩行試験に加えて、クライムダウン試験を加えた。
Western blotおよびIn situ hybridizationによる過年度の解析で、樹状突起スパイン密度制御性接着分子アルカドリンは、脳梗塞に陥った大脳皮質同側近傍の海馬歯状回などで劇的に誘導された。2021年度は、c-fosが誘導されることも確認し、アルカドリン誘導には虚血後脳における神経細胞の過剰興奮が関与することが示唆された。
過年度確立した、特定の神経細胞に色素Lucifer Yellowを注入して樹状突起スパインを可視化する系を用い、2021年度は脳梗塞および自発運動介入による神経回路の形態変化を測定した。
アルカドリンの関与を検討することを目指して、Arcadlin遺伝子欠損マウスをC57BL/6系統から、C.B-17系統に戻し交配を行い、8世代に到達した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11520
ID情報
  • 課題番号 : 20K11520
  • 体系的課題番号 : JP20K11520