MISC

2018年6月

東北大学病院歯科顎口腔外科におけるインシデント報告の分析

東北大学歯学雑誌
  • 佐藤 修一
  • ,
  • 永井 宏和
  • ,
  • 山内 健介
  • ,
  • 宮下 仁
  • ,
  • 川井 忠
  • ,
  • 野上 晋之介
  • ,
  • 高橋 哲

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開始ページ
10
終了ページ
16
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
東北大学歯学会

東北大学病院では医療安全推進室が設置されており、安全な医療管理体制を構築すべく日ごろから活動が行われている。本調査報告は当院歯科顎口腔外科の歯科医師が当事者として報告されたインシデント事例を分析し、今後の医療安全に役立てることを目的とする。2012年4月1日から2017年3月31日の期間において当院医療安全推進室に提出され、当科の歯科医師が当事者として発生したインシデントの報告事例77例につき集計、分析した。調査項目は、年度別、場所別、月別、腰部別、時間別、経験年数別、要因別、内容別、インシデントレベル別の報告件数である。その結果、年度別インシデント報告数は2012年度が5例であったがその後増加し2016年度では40例であった。場所別では外来が58例、月別では3月と8月が11例、曜日別では月曜日が20例と最も多かった。時間別では15時から16時以前が16例と最も多く、次いで11時から12時以前が12例であった。経験年数別では10年未満が38例、要因別では医療器材が36例、内容別ではバーの破損が31例、レベル別ではレベル1が最も多かった。なお、レベル3b以上は19例あった。今回の調査により、当院歯科顎口腔外科の歯科医師が当事者として報告されたインシデントの傾向があきらかとなった。これらの結果を踏まえて今後特に注意し、より安全な質の高い医療を提供するよう努力するつもりである。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0287-3915
  • 医中誌Web ID : 2020302881

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