2006年12月
腹腔内膿瘍から臍腸管瘻を形成したメッケル憩室の1例
日本救急医学会関東地方会雑誌
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- 巻
- 27
- 号
- 開始ページ
- 48
- 終了ページ
- 49
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本救急医学会-関東地方会
27歳男。生下時に臍腸管瘻を指摘されていた。今回、突然臍周囲に持続性の腹痛が出現し、腹部CTで臍直下に液面形成を伴う5×5cmの構造を認め、膿瘍が疑われた。臍の切開排膿ドレナージで赤色膿性液体を認めた。第2病日のCTでは膿腔の一部に腸管とのつながりが疑われたが、腸液の排出はなかった。腹部症状が軽快せず、第4病日に試験開腹術を行なったところ、横行結腸と腹腔内膿瘍が一部癒着しており、また、膿瘍は小腸末端から口側40cmに存在するMeckel憩室にもつながっていた。憩室根部を切離し、膿瘍を切除した。一方で盲腸から上行結腸が後腹膜から遊離して180度回転しており、盲腸から上行結腸を4ヶ所後腹膜に固定し、手術を終了した。病理所見は小腸粘膜に覆われた消化管で、全層性の好中球浸潤や穿孔部周囲での壊死を認めた。術後創感染を生じたが、重篤な合併症はなく、第29病日に退院した。
- ID情報
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- ISSN : 0287-301X
- 医中誌Web ID : 2007111622