共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

大気鉛直観測を輸送モデルに同化した東アジアのエアロゾル排出量の改善

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K12155
体系的課題番号
JP20K12155
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

冬季から春季の日本周辺では、しばしばエアロゾル等の大気汚染物質が増加し、越境汚染の問題など社会的影響も大きい。本研究では、放出量の推定精度の低い場所の汚染物質を検出しやすい秋田県で地上観測とドローンによる大気鉛直観測を行い、観測情報を化学輸送モデルに同化することで、これまで推定精度の低かった東アジアのエアロゾル放出量を改善したモデルを開発することを目的としている。
データ同化システムでは、観測されたエアロゾル濃度をもっともよく再現するように放出量を最適化し、その際の汚染源付近の放出量を「真の値」として逆推定する。近年公開されるようになったヨーロッパのCAMSエアロゾルデータは、このようなデータ同化を利用した大気微量成分の客観解析であるが、こうした全球的なデータを取得して化学輸送モデルの初期値とし、さらに日本付近のエアロゾル観測情報を加えることにした。
まずは、季節的な変化を捉えバックグラウンド濃度を知るため、秋田県立大学における定期的な地上観測やドローンによる大気鉛直観測を行った。また高濃度イベントを捉えるための集中観測に向け、観測に用いているハンディカーボンモニターのエアロゾル濃度の精度を評価するためのエアサンプラーの設置を進めている。代表者は秋田まで出張し設置場所の下見を行い、また分担者と協力して設置準備を整えた。
昨年度までに開発を進めた化学輸送モデルを用いて、本年度は「富岳」によるシミュレーションを行い、結果の妥当性を評価した。また、観測結果が得られてから迅速にシミュレーションや解析を行うために、代表者が所属する国立環境研究所のベクトル機でシミュレーションを行い、スカラー機を用いてデータ変換・作図を行う一連のシステムの構築を行なった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12155
ID情報
  • 課題番号 : 20K12155
  • 体系的課題番号 : JP20K12155