基本情報

所属
同朋大学 仏教文化研究所 所員
立命館大学 文学部 授業担当講師
愛知学院大学 文学部 宗教文化学科
学位
博士(文学)(2017年9月 立命館大学)

J-GLOBAL ID
201501093413757308
researchmap会員ID
B000243606

外部リンク

近世~近代の宗教史・思想史を研究しています。

民衆宗教、近世仏教の異端騒動、民間信仰の興隆や近代の寺社の下におかれた講社・教会と教団未満の宗教者の活動を対象として、近世から近代にかけての宗教史的構造の変容を明らかにしようとしています。

最近は、学会のバーチャル対応や手話通訳付与のお手伝いもしています。


◆課題1 宗派越境的研究による近世後期の宗教パラダイムの解明

  • 民衆宗教の思想と展開を、他の宗教や社会の動向を関わらせながら論じていくという宗派越境的な視点から、19世紀の宗教動向のダイナミズム読み解いていくことを課題としています。
  • 思想史の視点から近世後期の救済論の転回に注目しています。具体的には、複数の宗派を事例として、救済の獲得方法をめぐる議論に注目し、救済に向けた態度として「身体」と「心」がどのように位置づけられているかを分析することで、近世後期~近代にかけての救済パラダイムを描こうとしています。
  • 具体的な研究対象は、尾張藩名古屋をフィールドとして、民衆宗教(如来教)、近世仏教(浄土真宗の異安心、三業惑乱)、民間信仰(秋葉信仰、金毘羅信仰、作善思想)、民俗(絵解き、祖師伝、寺社縁起、地震観)など。

全体のエッセンスをまとめた論文はこちら

秋葉信仰と如来教の境界領域を論じた論文はこちら

開帳・寄進など名古屋城下の人々の宗教行動との関係を論じた論文はこちら

名古屋城下を襲った地震への対応を論じた論文はこちら

※関連データを個人Webページにて公開しています。

石原和『「ぞめき」の時空間と如来教 近世後期の救済論的転回』法藏館、2020年

第15回 日本思想史学会奨励賞(日本思想史学会)受賞


◆課題2 近代宗教者の活動からみる近世史と近代史の成果の有機的結合

(2020年度より、科研「近世近代移行期における教団未満の宗教者と新宗教をめぐる史的研究」[若手研究、20K12822]の支援有)

  • 日本宗教史上の空白である近世近代移行期の宗教教団及び宗教者の活動に注目しています。
  • 近世近代移行期の宗教者たちがさまざまな教団、講社、宗教組織を越境しながら活動したことに注目し、流動的な宗教者のあり方、信仰のあり方を明らかにしようとしています。
  1. 月見里神社と稲荷講社(静岡市清水区)出口王仁三郎と霊学会を中心に、近代の在地・民間神道家の宗教活動に関する研究を進めています。
  2. 明治初期の如来教の布教公認活動と宗教活動に関する史料整理・目録化作業・分析に取り組んでいます。とくに、近代法制のもとでの合法的な活動を模索していく過程に注目しています。
  3. 明治初期の仏堂が民間宗教者の拠点となったことに注目して、新宗教と近代仏教の関連を明らかにしようとしています。
  • これにより、近世と近代の民衆宗教史/複数の別個の教団史をつないでいくことで、新たな日本宗教史像を提起しようとしています。

石原和・吉永進一・並木英子編『月見里神社・稲荷講社史料/宮城島家史料目録 ー近代清水の神職たちと鎮魂帰神ー』科学研究費補助金基盤研究 (B) 18H00614 「日本新宗教史像の再構築:アーカイブと研究者ネットワーク整備」、2020年
石原和・神田秀雄・吉水希枝編『近代如来教と小寺大拙ー研究と史料』一般社団法人日本電子書籍技術普及協会、2023年

◆その他

  • 福島・奥会津での中世~近代の修験関係聖教調査を踏まえつつ、近世期における『神道五部書』の伝播と利用、『大般若経』の勧進についても研究しています。
  • 手話が入る会議運営についても関わっています(国際手話学会2022、文化人類学会2023)。関連成果として、以下のものがあります。
石原和・菊澤律子編『手話が「発音」できなくなる時 言語機能障害から見た話者と社会』ひつじ書房、2022年

書籍等出版物

  11

論文

  10

MISC

  27

講演・口頭発表等

  72

担当経験のある科目(授業)

  24

所属学協会

  9

共同研究・競争的資金等の研究課題

  3

学術貢献活動

  2

メディア報道

  6