2014年
中国半乾燥地に生育するJuniperus sabinaの水利用に対する不定根の寄与
日本森林学会大会発表データベース
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 125
- 号
- 0
- 開始ページ
- 117
- 終了ページ
- 117
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.125.0_117
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
降雨に関連した土壌層別の水分の不均一性に伴う不定根間での水の移動を明らかにするために、現地に生育する2個体を用いて樹液流速度の測定を行った。いずれの個体も、主根と不定根間の主軸および匍匐枝上 (主軸、枝_基部)と、匍匐枝上の不定根より先端側にセンサーを設置した(枝_先端)。その結果、いずれの個体も夜間の正の樹液流(Vh)は無降雨期に主根と不定根間(主軸と枝_基部)のみで認められ、降雨後は速やかに低下した。枝_先端では認められなかった。日中のVhは無降雨期は低く降雨後に速やかに上昇した。夜間のVhはいずれのセンサー位置でも大気飽差と正の相関があった。また、大気が十分湿潤な条件下において、一般化線形混合モデルにより、大気飽差および主根部と不定根部の土壌層間の水ポテンシャル差(ΔΨ)を説明変数として解析を行ったところ、主根と不定根間(主軸と枝_基部)についてはΔΨが説明変数として選択され、枝_先端については説明変数が選択されなかった。以上より、無降雨期の夜間に、湿潤な土壌層の主根から乾燥した表層土壌へ不定根を介した水の移動が起こっており、これにより降雨および地下水の効果的な利用が実現していると考えられた。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11519/jfsc.125.0_117
- CiNii Articles ID : 130005474008