講演・口頭発表等

2017年6月25日

万兄弟以前の中国アニメーション作家

第19回日本アニメーション学会大会
  • 陳 龑

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
開催地
青森県立美術館

従来、中国側の先行研究では、中国アニメーションの初期発展史をまるで万兄弟の立志伝のように述べ、外国からの影響は一切触れず、すべての功績は万兄弟、特に万籟鳴にあると紹介している。彼らは中国アニメーションの創始者として高く評価され、1940年代までの唯一の初期アニメーション作家と考えられてきた。しかし、先行研究を調べるにつれ、上記の通説に疑問を感じざるを得なかった。中国大陸で発表された殷福軍等の論文では万兄弟以外の開拓者について言及しているが、資料の収集が充分とは言えず、その記述には誤りが多く、全面的とは言い難い。本研究は『申報』、『良友』など当時の新聞雑誌を可能な限りすべてを調べることから始まり、関係者インタビューなどの調査も行い、先行研究では発見されなかった証拠をいくつか見つけ、初期中国アニメーション史を考え直す手がかりを得ることができた。特に中国最初のアニメーターについては、これまで検討されることのなかったアメリカの資料も用いて全面的な再検証を行なった。

リンク情報
URL
https://www.jsas.net/conf/19th_con3_0622_rev02.pdf