2020年4月 - 2023年3月
自立高齢者の口腔機能管理および栄養指導の効果
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
今回の研究は、補綴外来患者に対して、一回目の口腔精密検査を行い、その後半年後の口腔精密検査の結果を比較して、口腔機能管理の効果を検証することを目的とした。
被験者は、東京歯科大学水道橋病院補綴科に来院した65歳以上の104名の男女で実施した。口腔機能管理を行い半年後にふたたび口腔精密検査を行った42名のなかから検討を行った。
口腔精密検査の他に、佐藤らの咀嚼機能評価、BMI、食品摂取多様性スコア、握力、基本チェックリスト、患者満足度の評価としてフェイススケールを検討した。
開始時の口腔機能精密検査での該当率は,口腔不潔51.2%,口腔乾燥60.5%,咬合力79.1%,舌口唇運動72.1%,咀嚼機能44.2%,低舌圧55.1%,嚥下機能23.3%であった。開始時と再評価で,最大舌圧は26.8±10.0kPaから30.2±6.9kPaに,グルコース溶出量による咀嚼能力検査は104.8±55.3g/mlから122.9±56.2g/mlに,咀嚼機能評価表は64.8%から72.3%になり,開始時と再評価時の間にそれぞれ有意差を認めた。他の項目では,両群間に有意差は認めなかった。該当項目が2項目以下となり,口腔機能低下症から回復した者は21%であった。管理内容は,咀嚼指導、生活習慣、栄養や食生活等の指導が51.2%,補綴治療や口腔機能訓練等が行われたものが48.8%であった。
以上のことから,6か月間の口腔機能管理により口腔機能が向上もしくは維持できたと考えられ,高齢者への口腔機能管理の有効性が示された。今後は機能訓練や栄養指導など介入内容と効果の関係性を検証する必要がある。
被験者は、東京歯科大学水道橋病院補綴科に来院した65歳以上の104名の男女で実施した。口腔機能管理を行い半年後にふたたび口腔精密検査を行った42名のなかから検討を行った。
口腔精密検査の他に、佐藤らの咀嚼機能評価、BMI、食品摂取多様性スコア、握力、基本チェックリスト、患者満足度の評価としてフェイススケールを検討した。
開始時の口腔機能精密検査での該当率は,口腔不潔51.2%,口腔乾燥60.5%,咬合力79.1%,舌口唇運動72.1%,咀嚼機能44.2%,低舌圧55.1%,嚥下機能23.3%であった。開始時と再評価で,最大舌圧は26.8±10.0kPaから30.2±6.9kPaに,グルコース溶出量による咀嚼能力検査は104.8±55.3g/mlから122.9±56.2g/mlに,咀嚼機能評価表は64.8%から72.3%になり,開始時と再評価時の間にそれぞれ有意差を認めた。他の項目では,両群間に有意差は認めなかった。該当項目が2項目以下となり,口腔機能低下症から回復した者は21%であった。管理内容は,咀嚼指導、生活習慣、栄養や食生活等の指導が51.2%,補綴治療や口腔機能訓練等が行われたものが48.8%であった。
以上のことから,6か月間の口腔機能管理により口腔機能が向上もしくは維持できたと考えられ,高齢者への口腔機能管理の有効性が示された。今後は機能訓練や栄養指導など介入内容と効果の関係性を検証する必要がある。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20K18835
- 体系的課題番号 : JP20K18835