2018年4月 - 2021年3月
売手間競争下における最適オークション設計
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本年度は一人の売り手がオークションを行うときの,潜在的な入札者の新たな参加を促す,新しいオークション設計方法を研究した.既存研究により,潜在的な入札者が比較的多数いる場合は,最低入札価格を十分に低く設定すれば,実際に十分な数の入札者が参入してくることが知られている.しかし,潜在的な入札者が比較的少数で,さらに調査費用等,参加に要する費用が比較的高い場合には,最低入札価格を十分に低く設定するだけでは十分な参入数が確保出来ないことがわかった.さらにそのような場合に十分な参入数を確保するためには,オークションによる収益(Revenue)にあらかじめ上限を設けておく必要があることがわかった.上限を設定するためには,(1)最低入札価格を設定せず入札価格に上限をつける方法や,(2)最低入札価格を設定し,それ以上の入札がない場合にはただでランダムに選ばれた入札者に配分する,といった方法があることがわかった.実際どの方法が最適であるかはパラメータに依存し,それの特徴付けも行った.
- ID情報
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- 課題番号 : 18K12738