2021年度には，(1)実世界物体を対象とした「質感＋三次元」イメージングの展開，(2) 簡易なイメージングセットアップによる三次元計測技術，及び，(3)360度ステレオカメラを用いた室内の三次元形状，反射率，光源の同時推定，さらに(4)得られた法線から面としての三次元形状（メッシュなど）を復元するための法線の積分について検討を進めた．項目(1)では，開発した深層学習をベースとした法線＋質感推定技術を多用な実物体に適用し，その有効性を確認した．項目(2)では，スマートフォンを用いた簡易なイメージングセットアップについて検証し，屋内・屋外シーンにおける提案手法の三次元計測の有効性を確認した．項目(3)では，360度カメラ2台を用いたステレオヘッドを作成し，室内の三次元形状，反射率，光源の推定を行う深層学習器を提案した．最後に項目(4)では幾何学的なアプローチに基づく法線積分手法を開発し，既存の手法に比して高精度に三次元形状の復元が可能である手法を開発した．これらの結果として，コンピュータビジョン研究のトップジャーナルであるIEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence (TPAMI)へ2本，トップ国際会議であるIEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR)へ2本，IEEE/CVF Winter Conference on Applications of Computer Vision (WACV)へ2本の論文を発表した．