梅名 泰史

X線結晶構造解析に基づく立体構造から蛋白質の機能解明を目指した研究を行っています。主に光合成の水分解・酸素発生を担っている光化学系II膜蛋白質複合体（Photosystem II)(PSII) に興味を持ち、活性中心Mn4CaO5クラスター（Mnクラスター）による触媒反応を構造化学的に解明することを目指しています。
2011年に1.9Å分解能のPSIIの立体構造を解明し、Mnクラスターの分子構造を明らかにしました。近年は、このMnクラスターの各Mn原子の電子状態を特定するため、異常分散効果を利用したユニークな結晶を使った手法で研究を進めています。また、X線分光や理論化学とのコラボレーションを進めており、結晶学の不向きなところを補ったアプローチも進めています。
一方で、オーソドックスな構造生物学研究として、PSIIの阻害剤との複合体やｐHによる構造と機能の相関研究も進めています。また、XFELを使った時間分割構造解析のプロジェクトへの参加や、新たなテーマ提案を行い分子動画としての反応機構を明らかにする研究を始めています。