2015年10月
仲裁的思考を育むことを目的とした授業が対人交渉方略・援助的介入に与える効果
ピア・サポート研究
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- 12
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- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
いじめの要因となる対立関係を修復していくこと,そして対立関係を生みにくい子どものつながりを形成していくことは,いじめ予防の上で重要である。本研究では,小学 5 年生 1 学級(38 名)を対象に,友人同士や集団の中で起こる他者のいじめ及び対立場面に対して,仲裁的に介入しようという気持ち(仲裁的思考)を育むことにより,いじめや暴力問題などの大きな対立問題への発展を防ぐことを目的として,社会的スキル・トレーニング(SST),サークル・タイム,ピア・メディエーショントレーニング(PMTP)を用いて授業を行った。仲裁的思考への影響を検討するために,対人交渉方略尺度(山岸 ,1998),援助的介入質問紙(越智 ,1987)を用いて検討した。その結果,介入群は統制群と比較して,他者変化志向の向上と権威志向の低下,また傍観者の影響を受けずに援助的介入行動をとる傾向が認められ,本研究が友人同士や集団の中で起こる他者のいじめ及び対立場面に対する仲裁的思考を育む手立ての一つとして示唆された。