2020年4月 - 2023年3月
大脳皮質味覚野における空間的な恒常性維持機構の探求と味覚障害の病態解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2020年度の研究実績により、われわれはマウス大脳皮質味覚野において領域イメージングで観察するための緑色カルシウム感受性タンパク質を発現させることに成功した。また、臨床的に応用可能な亜鉛欠乏性味覚障害マウスの作製に成功した。2021年度の研究実績においては、①マウス大脳皮質味覚野の急性イメージングの実験系構築、②長期で観察可能な頭蓋窓作製による長期観察実験系の構築、③味覚障害モデルマウスにおける舌表面のマクロ・ミクロ観察を行った。
①マウス大脳皮質味覚野の急性イメージング実験では、昨年度構築した蛍光タンパク質を発現させたマウスにおいて領域イメージング法により大脳皮質味覚野の第1層から第2/3層、第5層の錐体細胞を麻酔下において単一細胞レベルで観察することに成功した。このことで神経集団としての活動様式の解析が可能となる。
②大脳皮質味覚野を長期で繰り返し観察するための観察窓の作製において、マウス味覚野は頭蓋側頭部領域に存在するため、眼窩と頬骨弓の物理的な骨構造により長期的な観察窓を作製することが極めて困難であった。そこで、プリズムを用いて味覚野を経時的に観察し、マウスを伏臥位で観察できる実験系を構築中である。同実験系の構築により味覚刺激による誘発反応はより生理的になると考えられる。
③味覚障害マウスの舌尖表面を実体顕微鏡あるいは小動物用内視鏡で観察した。有郭乳頭の形態および走行する血管の走行異常を確認した。また、レーザー顕微鏡を用いて生体下で舌表面を観察する系を構築することに成功し、さらに実際の観察では自家蛍光による舌乳頭の形態をミクロで観察することに成功した。
①マウス大脳皮質味覚野の急性イメージング実験では、昨年度構築した蛍光タンパク質を発現させたマウスにおいて領域イメージング法により大脳皮質味覚野の第1層から第2/3層、第5層の錐体細胞を麻酔下において単一細胞レベルで観察することに成功した。このことで神経集団としての活動様式の解析が可能となる。
②大脳皮質味覚野を長期で繰り返し観察するための観察窓の作製において、マウス味覚野は頭蓋側頭部領域に存在するため、眼窩と頬骨弓の物理的な骨構造により長期的な観察窓を作製することが極めて困難であった。そこで、プリズムを用いて味覚野を経時的に観察し、マウスを伏臥位で観察できる実験系を構築中である。同実験系の構築により味覚刺激による誘発反応はより生理的になると考えられる。
③味覚障害マウスの舌尖表面を実体顕微鏡あるいは小動物用内視鏡で観察した。有郭乳頭の形態および走行する血管の走行異常を確認した。また、レーザー顕微鏡を用いて生体下で舌表面を観察する系を構築することに成功し、さらに実際の観察では自家蛍光による舌乳頭の形態をミクロで観察することに成功した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K09761
- 体系的課題番号 : JP20K09761