講演・口頭発表等

2020年3月18日

楔形文字史料から見るオーロラ現象

日本天文学会2020年春季年会
  • 三津間,康幸

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
開催地
筑波大学

アッカド語楔形文字で粘土板に書かれたアッシリア占星術レポートや『バビロン天文日誌』(以下ADB)に記録される自然科学現象、主としてオーロラについての研究の展開を概観する。アッシリア占星術レポートは主として西暦紀元前7世紀にイラク北部のアッシリアや南部のバビロニアで作成され、当時両地域を支配していたアッシリア王に対し、観測された自然科学現象の占星術的な意味を説明する役割を果たした。1992 年に567 枚の粘土板が、研究者に利用できるかたちで公表されている。その中には前680 年代-前650 年代に位置づけられるオーロラ様現象の記録が3 点含まれている。ADB はバビロニアの中心都市バビロンで前7 世紀から前1 世紀にかけて作成され、天文、天候、バビロンを流れるユーフラテス河の水位の増減、オオムギや羊毛などの農畜産物の価格、歴史的な事件などを詳細に記録する。ADB の粘土板は大英博物館に1500 枚ほど現存するが、これまでに公表されたのは400 枚