2018年1月
表面電離による塩化セシウムおよびセシウム吸着土壌からのイオン脱離
Photon Factory Activity Report 2017
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固体を加熱すると表面の原子の一部がイオンとして脱離する現象は「表面電離」として知られている。本研究では、表面電離現象を塩化セシウム(CsCl)に応用した。試料に正の電位をかけて加熱すると、融点(645$^{\circ}$C)よりはるかに低い410$^{\circ}$C付近でCs$^{+}$イオンが脱離した。この低い脱離温度は、CsCl表面の仕事関数変化によるものであることがわかった。また表面電離現象を、Csが吸着した土壌に応用した。試料を460$^{\circ}$Cで2時間加熱すると、約13\%のセシウムがCs$^{+}$イオンとして脱離した。以上のことから、表面電離現象を利用して土壌からCの一部を除去することができる可能性があることがわかった。